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「ヒュー! やったじゃん!」 「オアニア殿、お静かに!」  オアニアと医師が見守る中、エディンは静かに言葉を継いだ。 「思い付きの考えでは、ないのだ。以前から、君を意識していた」 「……結婚を、ですか?」 「結婚を真剣に考え始めたのは、バシリキ殿からの手紙がきっかけだ」 『竜将親分は、まだアルネ坊ちゃんと結婚しねえのかぃ?』  この一言が、心を大きく揺さぶった。  エディンは、そう語った。 「だがそれは、背中を押したに過ぎないんだ。もっと前から、ずっと私は君を慕っていた」  真剣なエディンの告白に、その眼差しに、アルネはくらくらと蕩けそうだった。

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