317 / 372

2

 エディンを膝枕に抱き、ヨシヨシしていた自分を思い返して、アルネの頬は染まった。  それでも彼は、まだ不安だった。 「エディン様は……僕を癒しとして。それだけで、見ておられないのでは?」 「違う」  即答した、エディンだ。 「確かに君を、純粋無垢な天使と感じた時もあった。しかし、アルネは血の通った人間なんだ」  私は、天使をパートナーにしたいとは思わない。 「君は決して、癒しだけの対象じゃない。アルネは私に、知恵を、勇気を、そして愛情を見せてくれたじゃないか!」 「エディン様……!」  不安げだったアルネの顔は、喜びの表情へと変わった。 「エディン様も僕に、広い世界を見せてくださいました。ものの見方や、決断力を教えてくださいました」  そして。 「そして、愛情も。愛してます、エディン様!」  アルネはベッドから跳ね起きると、エディンをしっかりと抱きしめた。

ともだちにシェアしよう!