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毎日、アルネとエディンは、仮王と母・アミエラを見舞っていた。
しかし本日は、特別だ。
エディンは花束など用意して、緊張していた。
「エディン様、そんなに固くならなくても大丈夫ですよ」
「しかしだな。アルネとの結婚を許していただきに、参上するわけなのだし」
彼の緊張とは真逆に、アミエラは優しく二人を招き入れた。
いつものように、笑顔を向けてくれた。
「まぁ、フェリックス殿下。きれいな花を、お持ちになられて」
「これを、仮王陛下とアミエラ妃に」
「良いのですか? 嬉しいわ」
それは、春の訪れを告げる、可憐な花だ。
仮王の回復と、アミエラの心労が和らぐようにと、エディンはこの花を選んだ。
「おかげで、半身を起こせるようになりました。表情も、少しずつ回復しております」
アミエラの言う通り、今日の仮王はベッドの背もたれに身を預けている。
わずかだが、微笑んで見せる彼に、エディンは深く感動した。
そして、花束をアミエラに渡し、仮王の手を取った。
「本日は、お願いがあり参上いたしました。私とアルネ殿下との結婚を、お許しいただきたいのです」
一息に、言った。
エディンの心臓は、ばくばくと早鐘を打っていた。
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