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第六十五章 三つの質問
『私とアルネ殿下との結婚を、お許しいただきたいのです』
エディンの願い出に、アミエラは目を円くした。
彼が握っていた仮王の手が、ひくりと動いた。
だが、さすがは一国の王妃。
アミエラはすぐに気を取り直して、まずはアルネに問いかけた。
「あなたの意思は、どうなの。アルネ」
「僕も、エディン様と同じ気持ちです。生涯を、共に歩んでいきたいと願っています」
まだまだ子どもだと思っていた息子が、将来を考え意見する。
アルネの成長を嬉しく思いながらも、アミエラはエディンに向かって指を三本立てた。
「二人の気持ちは、解りました。では、結婚を認める前に、フェリックス殿下に三つ質問いたします」
「何なりと、おっしゃってください」
三つの質問。
何だろうかと、エディンだけでなく、アルネも緊張していた。
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