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エディンに対して帰国を急かし、公爵令嬢との結婚を急かしていた、ネイトステフ国王。
つまりは、彼の兄だ。
その兄を納得させ、黙らせる方法として、有効と考えた手段だった。
『テミスアーリン王国の仮王陛下が健康体に戻られるまで、アルネ殿下は仮王代理となられるでしょう』
『代理とはいえ、事実上の国王。そのアルネ国王の傍らに、パートナーとして私が控えるのです』
『テミスアーリン王国と、ネイトステフ王国が、一体化する。これは、近隣の国々にとって、大きな脅威となります』
『ピアス、パンテミヒエル、ミトリオディ。このような列強国も、おいそれと手出しができなくなるのです』
エディンの書簡には、このような言葉が連ねてあったのだ。
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