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第六十六章 互いに尽くす覚悟がありますか?

 エディンとアルネの結婚に、アミエラは反対ではない。  むしろ、喜んでいた。  だが、彼女がこれまで歩んできた人生は、決して平坦ではないのだ。  だからこそ、不安も頭をもたげてくる。 (アルネには、幸せになってもらいたい……絶対に!)  その一心から、アミエラはエディンに二つ目の筆問をした。 「フェリックス殿下は、アルネとの結婚後も、軍人として戦いますか? 戦地へ、赴くのですか?」  これには即答できず、言葉に詰まったエディンだ。  アミエラは続けた。 「貴方が戦死でもなさったら、遺されたアルネは後の人生を寂しく過ごすことでしょう」 「私は……私は死にません!」  エディンの返事に、アミエラもアルネも、驚きを通り越して呆れた。

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