327 / 372
2
「エディン様、そんな。神様ではないのですから……」
「本気で言っておいでですか、フェリックス殿下?」
親子で波状攻撃を仕掛けられたエディンは、言葉に圧されるように胸をやや反らせた。
そして、反らせた背を戻しながら、正直に話した。
「アミエラ妃の質問は、私を悩ませました。ですが、これが精一杯の気持ちなのです」
アルネが望むように、人々が争わない、戦のない世界を二人で築いていきたい。
そう、エディンは真っ直ぐに語る。
「それでも、そうしても戦争になり。私の武人としての力が必要になれば、戦地へ出ます」
「エディン様……」
「ですが、先程も申し上げたように、私は死にません。アルネを遺して、死ねません」
エディンの素直な気持ちに、アミエラの表情は明るくなった。
だがしかし。
「死んでも、生き延びて還りますとも!」
「えっ?」
「エディン様、その言葉は矛盾してます!」
暴発した、エディンの失言だった。
ともだちにシェアしよう!

