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「エディン様、そんな。神様ではないのですから……」 「本気で言っておいでですか、フェリックス殿下?」  親子で波状攻撃を仕掛けられたエディンは、言葉に圧されるように胸をやや反らせた。  そして、反らせた背を戻しながら、正直に話した。 「アミエラ妃の質問は、私を悩ませました。ですが、これが精一杯の気持ちなのです」  アルネが望むように、人々が争わない、戦のない世界を二人で築いていきたい。  そう、エディンは真っ直ぐに語る。 「それでも、そうしても戦争になり。私の武人としての力が必要になれば、戦地へ出ます」 「エディン様……」 「ですが、先程も申し上げたように、私は死にません。アルネを遺して、死ねません」  エディンの素直な気持ちに、アミエラの表情は明るくなった。  だがしかし。 「死んでも、生き延びて還りますとも!」 「えっ?」 「エディン様、その言葉は矛盾してます!」  暴発した、エディンの失言だった。

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