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「最後の質問です。これは、アルネにも言えることなの」 「何でしょうか、母上」 「結婚は、恋のゴールではありません。甘いだけの愛では、乗り越えられないわよ」  最後の質問は、こんな風に抽象的な言葉から始まった。  そして、アミエラは微笑みながら、不思議に思えるようなことを問うた。 「フェリックス殿下と、アルネ。あなた方は、互いに尽くす覚悟がありますか?」  これなら簡単だ、と二人は胸を張った。 「私は、アルネ殿下に尽くします」 「僕も、エディン様に尽くす覚悟はできています」  朗らかな返事だが、アミエラはうんうんと適当にうなずくばかりだ。 「口先では、ね。簡単に、どうとでも言えるのよ」 「口先ではありません。私は、心から殿下を大切に思っています!」 「僕だって、嘘じゃありません!」  ムッとした、エディンとアルネだ。  若い気性を、アミエラは余裕でかわした。

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