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彼の頭を撫でながら、アルネは訊ねた。
「ご機嫌ですね、エディン様。何か、良いことでもあったんですか?」
「……鋭いな、アルネ。相変わらず、聡い」
明日、大臣たちの前で報告しようと考えていたのだが、と前置きし、彼は語り始めた。
「実は今日の書簡で、ようやくネイトステフの国王が折れたのだ」
「えっ? それって、つまり……」
「そう。兄上がやっと、私たちの結婚を認めた!」
「やったぁ!」
エディンは我慢できないというように、アルネに頬ずりした。
何をやっても敵わなかった兄を、初めて困らせ、ついに凹ませた。
そんな無邪気な喜びを、エディンは隠せないでいたのだ。
「だから、こんなに開放的だったんですね」
「子どものような振る舞いを、今夜だけは大目に見て欲しい」
「今夜だけ、なんて。無邪気なエディン様も、素敵ですよ」
いつでも子どもみたいで、いいんです、とアルネは彼の額に優しくキスをした。
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