342 / 372

2

『こうなった以上、初夜は特別な日に行わねばなりませんからな!』  アルネの首元に、エディンによる『つがいの刻紋』が現れた時の、医師の言葉だ。  彼には悪いが、二人は初夜どころか、二夜、三夜と情事を重ねていた。  心も体も、すでに一つになっているのだ。  そしてエディンは、今夜初めて素裸でアルネと愛しあっていた。  今までは、着崩しながらも、何らかの服は身に着けていた。  どんな時でも敵の急襲に備える、軍人の習慣だ。  それが初めて、生まれたままの姿で、アルネに向き合った。 『いいんですか? 夜着を全部、脱いでしまっても』 『今夜は特別な日だから、何もかも君にさらけ出したいんだ』  エディンにとって、両国の許しが出た今日が、特別な日だったのだ。  

ともだちにシェアしよう!