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「アルネ、このまま起きて、座れるか?」 「ん、あぅ! い、いきなり動かないでくださいぃ!」  繋がったまま、二人はゆっくり慎重に体位を変えた。  対面座位になって見るエディンの表情は、情欲に昂っているというより、穏やかだった。  穏やかではあるが、内に秘めた炎は熱い。  白く輝く星の方が、赤く燃え盛る星よりも、表面温度が高いように。 「アルネ。こうして君と顔を見合わせながら、一つになりたかった」 「でも……いつも、こうですよ? 僕が仰向けに寝ていても、お互いの顔は見ています」 「うん。しかし私は、君を見下ろしている。そうではなく、同じ目線でいたいんだ」  対等な関係を、始めよう。  そう、エディンは微笑んだ。 「私はこれから、軍人口調で話すことを改めるよ。だからアルネも、もう敬語は使わないでくれ」 「え……?」 「人前でも、エディン、と呼んで欲しい。そして、カジュアルに話して欲しいんだ」」  思いもよらない、エディンの願いだった。

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