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第七十章 素敵な夜
エディンの背に爪を立て、アルネは絶え間なく甘い声で啼いていた。
爪の痛みを心地よく感じながら、エディンはずっと突き上げていた。
「はぁ、あ……っく、あぁ!」
「アルネ……私の可愛い人……」
「はぁ、はぁ、うぅ……んう、うぅあぁ!」
「アルネ……好きだ、アルネ……」
「うぅ、あぁ! あっ、あッ、あぁああ!」
「……」
ふと、エディンは動きを緩やかに収めた。
鈍く腰を波打たせながら、ぽつりとつぶやいた。
「何だか、ずるいぞ」
「え?」
「私ばかりが、君の名を呼んでいないか?」
「あ、そう言えば……」
ごめんなさい、とアルネはちょろりと舌を出した。
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