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 道が整った後は、さっそくテミスアーリンとダマビアの間で、交換留学を推奨した。  主に、10代の若者が中心だ。  少年少女は順応性が高いので、互いの身体特性にはすぐに慣れたようだ。 「ダマビアの子たちは、我々を見て『目が二つもある化け物だ』と驚いていたな」 「この調子で、みんな仲良くできればいいですね」  エディンとアルネが、にっこりと笑い合った時、大声が突然に割って入って来た。 「アルネ坊ちゃん! ……おっと、失礼。今は、アルネ陛下と呼ばなきゃな!」 「ロビーおじさん!」 「竜将閣下も、楽しんでるかい!?」 「ソフィアとバシリキの、素晴らしい結婚式だったぞ。ロビーは遅れて到着した分、残念だったな」 「この披露宴を存分に楽しんでいるから、問題ない!」  確かに、そう言って笑うロビーの顔は、すでに酔いの赤さに染まっている。  そして、しきりにアルネへ酒を勧めてくるのだ。 「ぼ、僕はまだ、飲酒のできる年齢ではないので……」 「アルネ坊ちゃんは、国王陛下だぞ? 誰も咎める奴はいないさ」 「忘れるな。ここに一人、いるぞ」  エディンは立ち上がり、アルネの手を取った。 「飲酒ができなくても、楽しみ方はある」 「エディン様?」  アルネはエディンに手を引かれ、会場の中央にあるダンスホールへといざなわれた。

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