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第46話 領主代理
5ー6 漲ってくる!
俺は、胸がどきどきしてまじまじとリュートが酒を口にするのを見つめていた。
ごくっと音がしてリュートがグラスの酒を飲み干す。
テーブルにグラスを置くとリュートは、一瞬、体を固くした。
俺の心臓が跳ねる。
だが。
リュートは、すぐに顔を上げて俺をギラギラ光る金色の瞳でじっとりと見つめた。
心なしか頬が上気してなんとも色っぽい。
ってか、ほんとに眠り薬、効いてます?
「あの、ラインズゲート侯爵、眠くないですか?」
「リュート」
俺の問いには答えずにリュートは、俺を抱いて耳元で囁いた。
「リュートと呼んでくれ、アンリ」
「り、リュート」
俺は、もう一度きく。
「眠くないですか?」
「眠いどころか」
リュートが俺を抱き上げて椅子から立ち上がった。
「なんだか気が漲ってくる!」
はいっ?
慌てている俺をよそにリュートは、ベッドへと俺を運ぶとベッドに腰かけさせた。
そして、いそいそと俺の上着を脱がせ始める。
ええっ?
ラトグリフさん!
お薬、ぜんぜん効いてないですよっ!
シャツのボタンに手がかかったところで俺は、はっと正気に戻った。
このままじゃ、やられる!
「あ、あの、自分でやるから!」
俺の言葉にリュートの目がすぅっと細まる。
「そうか。では、そうしてもらおうか」
リュートがベッドにあがると枕を積み上げて背にあてどかりと腰を下ろす。
「さあ、脱いでくれ、アンリ」
はいぃっ?
俺は、ベッドから反射的に立ち上がるとシャツのボタンをゆっくりと一つづつはずしていった。
どうする、俺?
俺は、めっさ考えていた。
このままでは、俺は、おいしくリュートにいただかれてしまう。
しかも、自分で裸にならなきゃいけないし!
リュートの鼻息がふんすっと聞こえてくる。
興奮している!
間違いなく敵は、性的に興奮している!
とてもじゃないが眠りそうにないし!
てか!
ラトグリフさん、あの薬、マジで眠り薬だったんですか?
疑いたくはないけど、普段より、ヤバイ感じになってるし?
俺がボタンをはずし終わるとリュートが焦れたように声を発した。
「はやく、脱げ!」
俺は、ゆっくりとシャツを脱いで上半身裸になる。
痛いほどにリュートの視線を感じて俺は、顔が熱くなってくるのを堪えられない。
「下も脱ぐんだ!」
ううっ!
俺は、仕方なくズボン前をほどくとゆっくりと脱いだ。
白い下履き一枚になった俺にリュートがごくりと喉を鳴らす。
「それも脱いで」
俺が躊躇しているとリュートが切羽詰まったような掠れた声で命じた。
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