85 / 111

第85話 黄金の小都

 9ー5 愛している※  それから。  リュートは、俺を何度も何度も苛み続けた。  俺は、達することを許されないまま、イきっぱなしで。  甘美な快楽に溺れていた。  それは、抗うことなど許されない。  イッても、イッても、終わることのないリュートの責めに俺は、意識を飛ばしてただ、喘ぎ続けていた。  最後には、俺は、涙と鼻水、唾液にまみれた顔で必死にイかせてくれ、と懇願していた。  「おねがいっ!も、イカせてぇっ!」  俺は、リュートの膝の上に抱えられその肩に噛みついて堪えていた。  リュートは、低く呻くと俺のことを下からぐちゅん、と突き上げた。  立ち上がったものがとろとろと露を滴らせてリュートの腹を汚すのもかまわず、リュートは、俺をぎゅっと抱き締めた。  俺は、もう、リュートの魔力で体を満たされていて、気持ちよさに髪を振り乱しながらリュートにしがみついて掠れた声でその名を呼び続けた。  「りゅーと、リュートぉっ!しゅきっ、しゅきぃっ!」  「ああ」  リュートが俺の耳元で囁く。  「やっと、言ったな、アンリ」  リュートが俺のものにはめられた銀色のリングをはずし、俺は、とんでもない射精感に襲われ、それを解放した。  「あ、あぁっ!いいっ、いいっーっ!」  気持ちよさに俺の意識は、遠退いて。  闇に堕ちていく。  アイシテル  意識が途切れる瞬間に、俺は、リュートの声を聞いたような気がした。  次に俺が気がついたのは、翌日、だいぶ日が高くなってからだった。  俺は、床の上に毛布とリュートの上着に包まれて横たわっていた。  「ん……」  「アンリ」  すぐ側でリュートの優しい声が聞こえた。  目を開くと、すぐ前にリュートのきれいな顔があった。  リュートは、とろっと蕩けるような笑みを浮かべて俺の頬へとキスを落とす。  「おはよう、アンリ」  「あっ……おはよ、ございます、リュート……」  リュートは、俺を抱いたまま体を起こすと枕元に置かれていた水の入ったグラスを手にとり一口含み、俺に口移しで飲ませる。  「ぅんっ……」  俺は、流し込まれる水をんく、んくっと飲み干す。  リュートは、俺に何度も口移しで水を飲ませた。  いや!  俺は、断ろうとしたんだよ!  でも、リュートが許してくれなくて!  それから。  リュートは、いつの間にか用意されていた風呂に俺を運ぶと体を洗ってくれた。  久しぶりに髪も体も、隅々まできれいに洗われて心地よくて俺は、吐息を漏らしていた。  リュートは、俺を風呂に入れてからもかいがいしく俺の世話を焼いてくれた。  すっかり身支度の整った俺を満足げに膝に抱いて口づけを落とす。  「愛しているよ、アンリ。私の愛しい番」  

ともだちにシェアしよう!