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第103話 継母冥利につきますな!

 11ー3 服  はいっ?  俺は、ぱちぱちと瞬きした。  ロゼス君は、アンギローズですよね?  俺は、確認したくてうずうずしていた。  でも、なかなか言い出せないし!  リュートとロゼス君は、これからのこととか話しててとても、そんなこと聞けそうにないし!  気になってきょときょとしている俺を見てリトグリフがふっと笑みを浮かべた。  「財政が潤ってきたなら、アンリ様のご衣装を作ってはいかがでしょうか?」  「それもそうだな!」  ロゼス君がきらきら輝く青い瞳で俺を見つめる。  「前からアンリの服は、ちょっとみすぼらし、いや、その、とにかくアンリには、もっと似合う服がある筈だ!」  「さっそく私のいきつけの店を紹介しよう」  リュートがさりげなく俺の肩に触れる。  「アンリ、午後の予定は?」  「特には、ありませんが」  俺が答えるとリュートが口角を上げる。  「では、午後から私と出掛けよう」  「なら!」  ロゼス君が急に声を張り上げた。  「ぜひ、僕もご一緒させてください!」  「君、も?」  リュートが問うとロゼス君が頷く。  「ぜひ!」  うん?  俺は、見つめあっているリュートとロゼス君に気づいてはっとする。  そうだ!  前世の『闇の華』の中では、この2人は、魂の番だった。  もしかしたら。  いや!  もしかしなくても、この2人、思いあってるんじゃ?  「大人の買い物についてきても君が楽しめることなんてないぞ、ロゼス」  リュートが硬質な声を発したが、ロゼス君は、明るく微笑んだ。  「大人の男の買い物に興味があるんです!」  うん。  間違いない。  この2人は、できている。  俺は、確信していた。  今まで、前世の『闇の華』の物語とかなり変化していたけど、やはり主人公とその攻略対象の恋には、強制力があるに違いない。  俺は、ホッとしたような。  なんだか寂しいような気持ちだった。  でも。  本来は、この2人が結ばれることになっていたんだし。  俺がリュートの愛人になってることがイレギュラーなことなのだ。  ほんとは、今すぐ、俺がグレイスフィールド伯爵家を出ていくべきなのだろうけどそれだとロゼス君のことが心配だから。  俺は、やっぱり、ロゼス君が成人したらすぐに、この家を出ていこう。  俺とリュートとロゼス君の3人で昼食を食べた後、俺たちは、ラインズゲート侯爵家の馬車で街へと出掛けた。  俺は、服なんていいっていったんだけど、どうしても買うべきだってリュートとロゼス君が言うんで仕方なく一着およそいきの服を買ってもらうことにした。

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