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第20話※

「……まだ終わりじゃないからな」 そう言ったカイルは、深く、濃く、情欲を帯びた目でマイロを見下ろしていた。マイロの中に残る熱は、まだ十分に熱く、そして……硬く滾っている。 「っ、カイル……」 「お前があんな顔するから……我慢できなくなる」 耳元に落とされた声は、低くて、濡れていて、ゾクリと背筋を這い上がる。 その言葉と同時に、ぐっと腰を押し込まれる。 「っ、はああっ……あっ……!」 一度開かれた身体に、カイルはためらいなく深く突き入れてくる。激しく、けれど乱暴ではなく。けれど、明らかに遠慮は消えていた。 「あ……そこ、また……っ!」 同じところを、何度も擦られる。ぐりぐりと押し込まれるたび、内側がきゅんと締まって、甘い痺れが身体を駆け巡る。 「ここ……好きなのか。……さっきも、ここ突いたら、すぐイった」 「ばっ……そんなの、言うな……!」 マイロは真っ赤になって首を横に振る。けれど、腰は逃げられないようにカイルに支えられている。 「言いたくなるくらい、可愛いってことだろ?」 にやりと笑ったカイルが、再び深く腰を打ちつける。ずん、と奥を抉られて、マイロの喉から甘い悲鳴が漏れる。 「ふっ……あ、っ、くぅ……また、来る…っ!」 マイロの身体がびくびくと震えるのを感じながら、カイルはわざと動きを緩めない。 律動するたびに、二人の身体の間から濡れた音が微かに響き、息と熱が交じり合う。 「……ああ、…お前が…もっと、欲しい……」 「や、もう……だめ……っ!」 「……俺に全部くれよ」 カイルの目は真剣で、どこまでも愛しそうだ。そして、次の瞬間にはその言葉を裏付けるように、マイロの奥をまた深く突き上げてきた。 「っ、あぁああ……!や、……っ、もう、だめ……っ」 泣きそうな声でそう言うマイロを、カイルはそっと抱きしめて耳元で囁いた。 「だめ、って言っても、気持ちいいって顔してる」 「う、るさい……っ、……」 抵抗するも優しく抱きしめられる。 「ああ…マイロが欲しい。……全部、俺のものにしたい」 愛しさと欲情がない交ぜになった言葉に、マイロは涙をにじませながらも身を委ねるしかなかった。 自分を求め続けてくるカイルの熱に、全身が焼かれるようだった。 でも、嫌じゃない。 「…カイル……気持ち…いい…そこ…」 震える声でそう本音を呟いた瞬間、カイルが深く沈み込むようにキスを落とした。 「……愛してる。ずっと、お前だけだ」 腰の動きが、変わった。 さっきまで優しく、じれったいほどだったのに、今は違う。明らかに、遠慮なんてものはどこにもない。 「……っ、あ、カイル……っ!」 ガツンと奥を抉る衝撃。マイロの指先が跳ねる。繋がったまま身体を引き寄せられ、ベッドの軋む音と、ばちゅっ、ばちゅっ、と肌を打つ湿った音が交錯する。 「マイロ……もっと力抜いて。ちゃんと、感じてる?」 「か、感じて…あっ……でも、も、もうっ……!」 言葉の途中でまた深く突き上げられ、声が途切れる。奥を擦られるたび、マイロの内側がぎゅっと震えて、カイルのものをきつく締めつけてしまう。 「…っ……いきそうになる…お前の、ここ、可愛いな……」 熱い声でそう囁かれた瞬間、恥ずかしくて、涙がにじんだ。 「……っ、ばか……そんなこと言うな……」 「可愛くてたまらないんだから、仕方ないだろ」 ぐっと腰が深く押し込まれ、カイルの熱が奥の奥まで届いた感覚に、マイロの喉から甘い声が漏れる。 「……マイロ……いくぞ」 その低い囁きと同時に、一段と強く、激しく、何度も奥を叩きつけるように突いてくる。 「っ、あ、ああっ、ん、ああああっ!」 マイロの声はもう抑えられない。 熱がぶつかるたび、快楽の波が押し寄せ、意識が揺れる。 「マイロ……いっしょに……」 「っ、あ、あああっ、カイル、カイル……っ!」 「マイロ、全部、俺のにするから……」 ぶつかる熱と熱。 互いの体温が混ざり合い、どこまでが自分で、どこからが相手なのかわからなくなる。 「っ……あ、はぁぁ……っ!」 深く、奥まで突き上げられ、マイロの中で何かがぶわっと広がる。カイルの熱が、奥の奥へと押し込まれ、痺れるような衝撃が身体の芯を貫いた。 カイルは数回腰を押し付けた。腰の動きと一緒に、ぐちゃ、ぐちゃ、と水音がいやらしく響いている。 全身がびくびくと震える中、マイロは自分の内側に熱が溢れるのを、確かに感じた。 「……マイロ、愛してるよ」 その声とともに、もう一度奥をぎゅうっと押し込まれる。 「っ……ん、はっ……あ……!」 身体の奥で何かが弾けた。 甘い光がはじけるように、感覚が遠のく。 カイルの腕がきつくマイロを抱きしめ、マイロも無意識にその背に手を回した。 結ばれる…そんな言葉では足りないほど、深く、重く、繋がっていた。ふたりは同時に、ひとつになったのだと、確かに感じていた。 「気持ちいい……っ、もう……だめ、きもち……よかった…」 思わずこぼれた声に、カイルが耳元で笑う。 「よかった……でも、これからが本番だ」 「っ、は……っ!? え、ま、だ……?」 ふるふると首を振るマイロは、ベッドに押し倒し直される。体勢を変えてカイルは上から腰を沈め始める。 「マイロ、今日は……何度も抱く。もう逃げられないからな」 「っ、そんな……っ、あっ、あぁっ!」 ぐちゅっ、ぬちゃっ、と水音がまた響き始めた。何度も果てた身体なのに、カイルの熱に触れるたび、新しい快感がどこまでも沸き上がる。 「ほんとに……全部、かわいいな、お前」 「っ、や、やだ……っ、言うなってば…」 「だめだ。好きすぎて我慢できない」 何度も突き上げて、何度も中を擦られる。カイルは、マイロが気持ちよくなるたびに嬉しそうに笑う。 気持ちよさも、恥ずかしさも、全部カイルに溶かされていった。

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