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第3話

「んうぅん」 誰かに運ばれているのか、体全体がグワグワと揺れている。 「じゃーなガキンチョ。童貞よりも先に後ろを無くすなんて悲しいな」 グレイの何か言っている声が聞こえるが、グレイと判別出来るだけで、何を言っているかは分からない。 「ん、」  体全体に感じる暖かいものに、無意識に擦り寄る。  なんだか懐かしい感じのする温かさだ。微かに香る女物の香水と、それよりも強く香る誰かの香水の香りに無意識に笑みがこぼれる。  女物の香水は少し鼻に残って臭いが、それよりも強いこの香りが心地良かった。 「おいおいまじかよガキンチョ。 随分警戒心無くなっちまったじゃねーか」 ぷにゅぷにゅと誰かが俺の頬を触る。 その感覚が不愉快で、腕を回しているそれにギュッと顔を押し付ける。 「やっ」 そうすると頬を触る感覚は消え、また安眠が俺の体を支配し始める。 「まじかよガキンチョ」 くすくすと女の人の笑い声が最後に、俺は深い眠りにつく。 ———————————————————— 「ん」 カーテンから差し込む光が眩しくて、眉を寄せ呻く。俺の部屋のベットは、絶対に顔に光が当たらない場所に置いてあるので、俺の部屋では無いことはすぐにわかった。 「おいグレン。眩しい」 良く泊まる友人宅だろうと当たりを着け、横にいるはずのそいつを叩くために手を伸ばす。 が、手は何にも当たらず、柔らかいベッドの上に手が落ちる。 あれ? 友人宅のベッドは、小さい訳では無いが、男は2人で寝たら当然真横同士で寝ることになるような広さだ。たしかセミダブルサイズだった気がする。 この間泊まりに行った時にかけてあった掛け布団の色は青色で..... 白だ。 .....は?まじかよ。 ガバッ!と起き上がる。 いってぇぇぇぇえ!!!!! 意味が分からないほど腰と尻と頭に激痛が走り、思わずうつ伏せに寝っ転がる。 動くだけで腰に激痛が走り、後ろの尻の部分は違和感が半端ない。 頭の痛さは間違えなく二日酔いだ。 昨日の夜を振り返ろうとしても全く記憶に無さすぎて首を傾げるしかない。 昨日は、ジャックとかグレイと飲んで、そっから、そっから、.....何した? たしかシャンパンをめちゃくちゃ飲んで、でも、あいにく俺は下戸ではなく、どっちかと言うとザルよりなため、そんなに簡単に酔っ払う精神はしてない。 しかし、なぜか昨日は相当酔ったようだ。 頭が割れるほど痛いのが何よりの証拠だ。 とりあえず、相手は誰だ、と思い横を見る。 .....え、 そこにある山は1つ。 しかもデカい。 俺よりもデカく、身長も体格もデカい。 俺の腰の痛さと、尻の痛さが嫌な予感を浮かべ始める。 いやいやいやいやいやいやいやいや 流石にないよな?あの顔だぜ?女なんか選び放題だろ。わざわざ俺に手を出す意味がわかんねーよ。な? .....帰ろう。 グルグルと回った頭は、素直にその答えを出した。 こんな所にいてもやばいだけだ、早く帰って大学に行こう。そうしよう。それがいい。 急いでベッドから抜けるために立ち上がろうと思うが、残念なことに座るのでさえ腰と尻が悲鳴をあげる。 自分の腰と尻の頼りなさに涙しながら、ベッドの上をほふく前進で進む。 今更気づいたが、俺は服を1枚も纏っていなかった。流石に他人の家、いや、ホテルかもしれないが、他人がいる場所で堂々と裸のままうろつく趣味はない。 掛け布団の下を進み、無駄に広いベッドの端に着く。 周りを見渡せば、リビング並に広い部屋で、ベッドの足側の壁にはデカいテレビが着いている。 ホテルだろうが家だろうが、一流の、しかも上の方のランクと言うことが伺える。 やっぱこいつら金持ちなんだな、なんて思いながら、下を向くと、俺が来ていたパーカーが落ちていた。 パーカー以外は全く落ちてない。辺りを見渡し探すと、開いている扉の隙間にズボンのようなものが引っかかっていたが、俺が来ていたものはジーパンなので俺のものではない。 .....パンツは? 大切な下着すらも見当たらないので、一瞬絶望感が頭をよぎるが、気を取り直してパーカーに手を伸ばす。 と、おい!!!! 流石アメリカンサイズというか、キングサイズと言うべきか、最高級であろうこのベッドの床からスプリングまでの距離が遠く、少し離れた位置に落ちているパーカーまで手が届かない。 かと言って立ち上がれる訳でもなく、仕方が無いので先に床に手を付きもう片方の手を伸ばす。 尻をあいつに向けているが今は気にしない! あいつが寝ているから出来る事をして、ようやくパーカーを掴む。 「取れ、」 「何してんだ?」 たぁ!?と最後の語尾が突然の声に驚き、高い声が出る。 その勢いのまま手が滑り、床にベチャッと上半身が投げ出されてしまう。 恥ずかしいことに下半身は未だにベッドの上にある。 このまま足も下ろしてしまおう、とほふく前進を開始する。 が、その前に腰をガシッと大きな手に掴まれる。 「ひゃい!?」 驚きすぎで変な声が出てしまう。 手の主もその声に驚いたのか、手が一瞬だけ止まるが、すぐに動きを再開させ、ズルズルとベッドの上の方に引っ張られる。 「触んな!」 パーカーを手に持ったまま引きずられ、ベッドの上に全て体が上がったところで後ろ向きに蹴りを放つ。 それと同時に体をひねって俺を引きずった手の主を見ると、やはりというかなんというか、もちろんそれジャックだった。 ジャックを1度睨みつけると、モゾモゾと手を動かしパーカーを着てしまう。 今俺は、あぐらをかいたジャックの上に腰を置いており、下からジャックを睨みつけている。 「やっぱてめーか」 「なにがだ?」 「寝てたのがだよって、やめろ!何してんだよ!」 「何って、昨日は俺を情熱的に誘った尻を誘うように振ってたからな。昨日のが忘れられてねぇのかと思って。」 ジャックが俺の足をつかみ、股を開かせてくる。 俺は、丸見えになる俺の息子をを隠すように片手でパーカーを下に引っ張り、腕の力に抗おうと足を閉じる。 「おい、抵抗すんな」 「逆に抵抗しねぇ方がびっくりだわ。」 ぎりぎりと音がしそうなほどお互いに力を入れて攻防を続ける。 「っはぁ!?おま、どこ触って!」 ジャックが俺の尻の筋をゆっくりと撫でる。 「今更恥ずかしがんなよ」 「いっみわかんねぇよ! まじふざけんな、さっさと手を離せ!」 蹴りを入れるがその足を簡単に掴まれてしまう。 伸ばした足を掴まれたせいで簡単に足の間を開かれ、その隙間にジャックが体を入れてくる。完全に閉じられなくされてしまった。 ジャックの体を締め上げるようにぎりぎりと足を閉めるが、あいにく腰が痛くて上手く力が入らない。 ジャックが余裕そうな顔を浮かべながら、俺のケツに置いていた指を下に下ろしていく。 「暴れんな」 「暴れるわ!!! 俺は、男と寝る趣味なんてねーって.....」 1発殴ってやる!と思い顔を上げると、隠している俺の息子以外が全て見える。 そして、その太ももの部分には、真っ赤な情熱的な痕が大量に付いていた。 カッ!と顔が一気に赤くなるのがわかる。 それを見たくなくてパーカーを伸ばそうとするが、ブカブカのパーカーを来ているわけでは無かったので全く隠れる気配はない。 上にあげれば俺からは見えないが、俺の息子はジャックに丸見えになってしまう。 くっそ!と思いながら、ジャックを睨みつける。 「まだ柔けぇな」 「ひっ!」 俺の後ろの穴をグリグリと押す。 意味のわからない感覚に、本気で抵抗しようと手足を使ってジャックの肩を押す。 「暴れんなって」 「ふざけんな!んなとこさわっ!!!」 グリッと後ろに意味のわからないものが侵入してくる。 なんで入るんだよ。という自分の体に対する疑問と、濡れてないことで痛むことで、上半身を起こしてジャックの肩を掴む。 「まだ全然入るな」 「痛い痛い痛い!ふざけんな!まじで!!」 グリグリと侵入してくるジャックの指に恐怖を感じながらジャックの肩を叩く。 「あ?あぁ、濡れてねぇからか」 ジャックが軽く舌打ちをすると指を抜く。 「本気でふざけんなてめぇ、いい加減離せやこのやろ.....」 後ろから指は抜かれたが、未だに尻を揉んでいるジャックの手を外すように引っ張る時にちょうど視界に入る。 .....は? いやいやいやいやいやいやいやいや。 入ってないよな?さすがに無理だよな?俺のケツちゃんと正常だよな? この際やったかやってないかは置いておいて、やってるなら、は?俺のケツ大丈夫?死んでね?いや、本気で。 「なぁ」 「あ?なんだよ」 ジャックが俺のケツを揉みながら俺の方を向く。 ケツ揉むのをやめろ、てか、触んな、てか、離れろ。 言いたいことは大量にあったが、とりあえず一番聞きたいが、聞きたくないことを聞く。 「それ、入ってないよな?」 ジャックが意味わかんねぇ、って顔をして俺が指さしたものを見る。 俺が指さしたたのは、もちろんジャックの息子。それはもうご立派でデカくて朝だということで少しだけ反応を示しているそれだ。 いや、元気いっぱいの状態じゃなくてそれって、いやいやいやいやいやいやいやいや、入らないよな?物理的に無理だよな?大丈夫だよな?俺の処女。 ジャックが俺の指を指したものを見て、ペロンと俺が頑張って下ろしていたパーカーの裾を持ち上げられる。 はぁ!?!? 驚きすぎて咄嗟の反応が遅れる。 急いで奪い返して俺の大切な息子を隠すが、ジャックは既に俺の息子を見終わった後で、フンと鼻を鳴らして笑う。 あ?笑ったか?笑ったよな?笑うなよ! そりゃてめぇの凶器見てぇなもんと比べられたら俺の、てか、日本人のなんか可愛らしいもんだろうが、てめぇがおかしいんだよ。 ガンを飛ばしながらジャックを睨むと、ジャックは肩に置いてある俺の腕をとる。 「は?はぁぁ!?」 グイッと引かれ、その勢いで上半身がジャックの方にさらに持ち上げられる。 いってぇぇぇぇえ!!!!! いきなり来た激痛に耐えれるはずも無く、ジャックの肩にギリギリと爪を立てて痛みを堪える。あと叫ぶのも。 「今入れてみたらわかんじゃね?」 「は?」 痛みを忘れるほどの発言に、思わずジャックから体を離して顔を見る。 その顔は冗談というより、この後の事を考えて面白い、という顔で笑っていた。 いや、馬鹿か?んな事出来るわけねぇし、てかやるわけねぇよ。 ジャックは朝だから反応しているものを、俺のケツの谷間にグリグリと擦り付けてくる。 んな凶器を擦り付けてくんな!てか、無理だろ!絶対無理!俺男!女でも入るかわかんねぇよ! 「ふざけんな!離せ!俺は帰る!」 バタバタと足を動かしジャックの背中を蹴り、手のひらで無駄に近いジャックの顔を後ろに押す。 「チッ、めんどくせぇな」 は?うわぉぉぉお!?!? ジャックは舌打ちをすると、俺を肩に担ぎ上げる。 ジャックは座っているので、必然的に目の前にはジャックの背中とベッドの白い掛け布団が視界に入る。 「何すんだよ!離せ!」 「わかったわかった」 なにがわかったから分からない返事をしながらジャックが立ち上がる。 いきなり高くなった視界に恐怖し、思わず大人しく担がれてしまう。 てか、立ち上がっただけでこんなに視界高くなるとか、てめぇどんだけ足長いんだよ。 意味のわからない所に内心キレるが、もちろんジャックに伝わるはずも無く、ジャックはそのままベッドから降りて歩いていく。 「どこ行くんだよ!」 「あーうるせぇって」 さっき見たズボンが落ちていた扉をぬけ(ズボンはジャックが足を使って拾った)、ベッドがあった部屋よりも広く、更にデカいテレビがあり、くっそみたいデカい窓が開いており、そこにはテラスが付いている部屋がある。 いや待て、こっちはリビングか? は?寝室だけであの広さかよ。寝室だけでキングサイズのベッド3つは軽く入るぞ。 無茶苦茶広そうな部屋に圧倒され、俺は、静かにジャックに運ばれて行った。 リビングを抜けダイニングキッチンの方に行き、そこにある扉に入る。 少しだけ狭くなったそこに首を傾げ辺りを見渡すが、あいにくダイニングキッチンの景色しか見えない。 まぁ、後ろ向きに担がれてるから仕方ないっちゃ仕方ない。 ガラ、っと、何かをスライドさせる音が聞こえる。と、パーカーの背中部分を引っ張られ、床に下ろされる。 意外に勢いは無く、丁寧に降ろされたことに驚きながら辺りを見渡す。 バス、ルーム? 結構広めで、俺の後ろには海外では珍しい浴槽が備え付けられているそこは、どう見てもバスルームだった。 ジャックに降ろされたままの姿勢、床にペタンと座り込んでいるままジャックを見る。 ジャックはシャワーの蛇口を捻った。 捻った? もちろん捻るとシャワーから水が出てくる。 真正面からそれを被った俺は、避ける暇もなく全身に水を浴びる。 「浴び終わったら出てこい」 「は?」 それだけ言うと、ジャックはバスルームを後にする。 え?それだけ? いや、てか、俺のパーカーずぶ濡れ!!!!

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