50 / 59

第50話 衝撃の告白※

「じゃあ、今日一日くらい足腰が立たなくてもセーフだな」 「…、え?」 何でこうなった? 僕を押し倒した形で、上から睨む茂知と目が合う。 寝ぼけてて、間違えて蜂谷さんとのことを吐いてしまった。 褒められたことじゃない。 しかも、あの時誘ったのは僕の方だし。 でも、それでなぜ茂知に押し倒されているのかは分からない。 「考え事か? あのクソ俳優の事でも考えてるのかよ」 だいぶ年上の人気な俳優に向かって…、酷い言いようだ。 「か、考えてないよ。 でも、あの時は僕の方が酔って誘ったんだって。 だから、100%蜂谷さんが悪いわけじゃ…」 「はあ?尚更最悪だろ」 茂知が顔を歪める。 あまり見たことない顔だ。 ぼーっと見上げていると、彼は舌打ちをした後に唇に唇を押し当てた。 えっ!?僕、茂知とキスした!!? 「これ(キス)は、クソ俳優とした?」 そう問われる。 正直あまり覚えていないんだけど… 「してない…、多分?」 「はぁ?」 僕の曖昧な回答に茂知が眉を寄せる。 「だって…、泥酔してたし、やったことも記憶がないの。 でも、僕の中から蜂谷さんの出したのが出てきたし、お尻は痛かったから、やることはやっ…」 そう言いかけたところで茂知が僕の口を手でふさぐ。 「悪いけどマジで聞きたくない、その話。 今は素面だし俺とのことはちゃんと覚えとけよ」 「え…?」 ・ ・ ・ 「あっ…、ああっ…」 僕の嬌声がどこか遠くで聞こえる。 お尻の穴からは、ぐちゃぐちゃと耳を塞ぎたくなるような水音が鳴っている。 「ここ、擦るとはたの中、めっちゃ締まる」 そう言って意地悪そうに笑う茂知の顔が良すぎて、胸がきゅっとなった。 それは肛門も連動する様で、締め付けてしまってさらに茂知は熱い息を吐いた。 「ったく…、どこもかしこも敏感でくそ腹が立つ。 本当にあのクソ俳優とやっただけか?」 なにやらブツブツ言っているが、僕はそれどころではない。 「もちぃ…」 縋るように手を伸ばすと、茂知は何を勘違いしたのか、その手を掴んでベッドに押し付ける。 「抵抗するなよ。 優しくできねぇだろ」 「やっ…、ちがぁあっ!?」 グンっと奥深いところを貫かれて絶叫してしまった。 違うのに… ただ、抱きしめてほしいだけだったのに… それから何度か揺すられて、茂知は中で果てたようだった。 言わずもがな、僕は何回イったか分からない。 とにかく、布団の上は大惨事だった。 ソレが抜けるとき、僕は思わず「んっ」と喘いでしまった。 少し寂しくもある。 僕が動けないでいると、茂知は愛おしそうに僕の腹を撫でた。 「何?」と問う。 「これがマーキングになって、はたに誰も近づかなくなればいいのにな」 何故か傷ついたような顔をしていて、僕は胸が苦しくなった。 「なんで…?」 なんでこんなことをしたのか、なんでそんなことを言うのか、なんで傷ついた顔をしているのか…、訊きたいことは山ほどあるのに。 「なんで?…、ずっと好きだったからに決まってるだろ。 はたが…、好きで大切だから、ずっと隠してきたのに… 全部掻っ攫われたんだ」 「え…」とまぬけな声が出る。 茂知が…、僕を? 「いつから…?」 そんなどうでもいい問いが出る。 「…、グループが出来た時から」 それって…、「めっちゃ最初からじゃん」 初期の頃の僕に好きになってもらう要素なんてあったか? 「お前のどのファンよりも先に俺が好きになった」 6年間…、ずっと? その果てしない片思いの長さに僕は眩暈がしかける。 「まあ迷惑だよな。 今日の事、悪いと思ってる。 でも後悔はしてない」 そう言って茂知は僕を見下ろす。 目を見ても何を考えているのかさっぱり分からなかった。 「帰るわ」 僕が言葉を発せずにいると、茂知はそう言って手早く衣服を整えると寝室を出た。 言葉の通り帰ったのだろう。 早く体を洗って、中を掻き出して、布団やシーツを洗わなきゃいけない。 でも、僕はしばらく動き出すことが出来なかった。

ともだちにシェアしよう!