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全部初めてで 4*

 もしものため、が今日本当になってしまった。雅はもうなんとでもなれ、という気持ちで枕を顔に当てようとした。しかし枕はベッドから遠くに投げ出されてしまったことを思いだし、この先のセックスを思って心許無くなる。  枕返してとも言えずにいれば、裕司が雅の腰を抱き少し持ち上げ片膝に乗るようしてきた。恥ずかしさに目をギュッと瞑っていると、裕司の指が尻たぶを開き、ローションらしき冷たい液が蕾にかけてくる。  始まる、と思うと同時にずるりと指が中に差し込まれた。 「痛くない?」  痛くはない、でもちょっと気持ち悪い。  大学生時代に男とわかった途端別れられるという経験をした雅は、誰かと性行為をできるなんて思ってもおらず、下の口はいじったことがなかった。裕司と付き合ってからも性器をいじるばかりで、乳首くらいはたまに触るもののそれくらいだった。  そのため、雅にとっては前立腺とは夢のまた夢のような話だ。裕司とできたらそれでいい。気持ちよくなくてもいい。そう思ってここにいる。そのはずだった。  数分後、雅はその認識を改めさせられた。  最初は指を入れられてもなにか違和感があるな、程度だった。でもソコに触れられた瞬間自分でも驚くほど体が飛び跳ねた。そのあとはひたすらにいじめられた。 「あっ、あああ、いぁだめ…ひっ、んんっ」  体を何度もくねらせても裕司がやめてくれる気配はなく、むしろ指は激しくなる一方で。 「指三本入った…わかる?」 「わか、なっ…ゆうじ、やめ、やだぁ…!」  そんなことわからない、ただただ気持ちいい。生理的な涙が目尻から流れ落ちると裕司がそれを舌で拭ってくれた。 「そろそろか」  ずるりと指が引き抜かれる。終わった、なんて勝手に勘違いして呼吸を整えていると下の方からぴりぴりと音が聞こえて来た。首だけ起こせば、裕司が自分のソレにゴムをつけているところだった。そうだった、終わりなんかじゃない、これは始まりなんだ。 「雅、いい?」  つけ終わると、裕司が聞いてくる。 「うん…いいよ。来て」  両手を広げて裕司を迎え入れる格好をする。彼は雅の抱擁を受け入れたあと、中にゆっくり入ってきた。

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