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After Story 2
「元カレ出現ってことっ?」
「ちょ、紗枝!声でかいって!」
食堂で大声をあげてしまった紗枝を嗜める。基本的にいい子なのだが、たまに興奮するとこうして声を荒げてしまうのが短所というか長所というか。紗枝が声をあげた理由は簡単、秋也とのことだった。最近不倫ドラマにハマっているという彼女には、現実で起きる事件は少しショックが大きすぎたのかもしれない。
裕司と結婚してから一年、紗枝はこうして同じ部署の同僚兼友達として未だに仲良くしてくれている。ありがたいし嬉しいことだった。ちなみに伊藤ちゃんこと日和ちゃんは他部署に異動になってしまい、ここ数ヶ月あまり話せていない。少し寂しい気もするが、向こうで頑張っているようだし応援したいところである。
「え、え、え!連絡取っちゃってるんだよね?」
「うん、まぁ。仕方なく…向こうが勝手に送って来るだけなんだけどさ」
「拗れる前に話したほうがいいよそれ〜!私もその件で揉めたことあるもん!」
そういえば数年前に紗枝が彼氏と似たような件で揉めていたことを思いだす。確か彼氏が元カノと連絡を取り合っていたとかで。
それを自分に当てはめて考えてみる。もし裕司が自分の知らないところで元カノと出会って連絡を取り合っていたとしたら…。
「やっぱりブロックするべきだよなぁ…」
カレーうどんを汚れないように啜りながら食べる。ここの食堂の名物、辛うまカレーうどんだ。辛いものへの耐性がないと食べるのが難しい代物でもある。
同じものを食べている紗枝は落ちてきた髪を耳に掛けながらうんうんと頷く。
「絶対気分悪いもん!すぐブロックしたほうがいいよ!」
「そうだね…そうする」
雅は箸を器の端に置くと、カバンに入れてある携帯を取り出し秋也をブロックしようとして…固まった。
『この間会ってたのって彼氏?』
秋也から来るメッセージのほとんどを無視していたせいか、強硬手段に出たようだ。手が震えるのを感じる。裕司のこと、見られてたんだ。どうしよう、裕司に何かあったら…。
雅はゆっくりと息を吐く。それに気づいた紗枝がどうしたの?と聞いてきたため、ううんなんでもないと笑顔で答えた。
「ちゃんとブロックした〜?」
「したした!これでスッキリしたよ」
「よーしえらいぞ雅!そのイキで午後の仕事もがんばろー!」
おー!と紗枝が腕を挙げたため、雅もそれに乗っかり手を挙げた。しかし勢い余って器に手が当たり、服の裾にカレーうどんの汁が跳ねてしまう。
嫌な雰囲気を感じ取りつつ、雅は携帯をポケットに入れた。
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