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04鍛練

「カーレント殿下が性欲を持て余していらっしゃる。また誰か女性を探そうか」  僕は言ったとおりカーレント殿下が性欲を持て余していらっしゃるので、適当な女性を探そうとした。だが女性たちは皆で逃げ出してしまった、今までの女性の末路を聞いているからだ。さて困ってしまった、思ったとおりカーレント殿下は僕に近寄ってきた。 「なぁ、ノエル。俺の愛人になれ」 「そのような過剰な重責には耐えられません」 「それじゃ、ノエル。こすりっこしよう」 「こすりっこ?」  それは要するにお互いの性器をこすっていかせようということだった、僕は最初はそれを断った。 「いいじゃないか、こすりっこぐらい」 「嫌です、お一人でなさってください」 「それも飽きたからこう言ってるんだ」 「また女性をお抱きください」 「どの女も俺を見ると悲鳴をあげるぞ」 「今までの行いの結果ですよ」  最終的に僕はそのこすりっこというやつに同意した。そうしないとティアラを今すぐに嫁にやる、カルムには騎士団の訓練をやらせると言いだしたからだ。たった三歳のティアラ様をほしがる男なんて変態しかいなかった。二歳のカルムさまに騎士団の訓練なんてやらせたら死んでしまうはずだ。 「それじゃ他の奴らは放り出そう、ノエルと俺だけにしよう」  ティアラ様やカルム様、それにライ様はご自分たちの部屋に帰された。ライ様には乳母がついていった。そうして僕は物凄く気がのらなかったがこすりっこというのをすることにした。風呂場でやることになった、その方が後始末も楽だったからだ。カーレント殿下は逞しい体をされていた、僕も学生時代は鍛えていたが、その後離宮に放り込まれてから鍛練を怠っていた。そうして二人とも裸になってこう言われた。 「ノエルも鍛えているが、俺ほどではないな」 「まぁ、そうですね」 「それじゃノエル触っていいか?」 「はい、僕もカーレント殿下に触りますよ」  そうして相手の性器に刺激を与えたのだが、カーレント殿下のものは大きくて、これは僕には入らないなと思った。そんなことを考えているうちに刺激がきて僕はあっけなくいってしまった、カーレント殿下もいっていた。そうして僕は五回もだせば満足したのだが、カーレント殿下はそれじゃたりなかった、僕の倍の十回はだされてそれでもまだ余裕がありそうだった。 「やっぱりノエル、俺の愛人にならないか?」 「そのような過分な重責には耐えられません」 「この尻とか触り心地がいいのになぁ」 「性器以外を触らないでください、さぁもう水で洗い流しますよ」 「つまらんな、まぁいく時のお前の顔は色っぽかったが」 「僕の顔なんて見ないでください」  こうしてこすりっこというのは終わった、これから毎日やると言われた時にはめまいがした。そして僕は鍛練を始めた、体が鈍っていたから鍛練していくことにした。私が木刀をもって素振りをしていると、ティアラ様やカルム様もそれをやりたがった。 「ティアラ様、木刀はこうもってこう振り下ろします。姿勢をしっかり保ちましょう」 「カルム様もですよ、お姉さまと同じようにしてください」  そうして毎日鍛練していたら、体も少しだが昔のように動かせるようになった。本当は僕は護衛騎士になりたかったのだ、それが今は護衛騎士に守られる身分だった。ちょうどいいので護衛騎士に姿勢など間違ってないか聞いた、護衛騎士は丁寧に指導してくれた。そしてこすりっこというのも毎日やられた。 「あっ」 「うっ」  相変わらず僕は五回しかいかないのに、カーレント殿下は十回はいっていた。そして僕を抱きしめるものだからこっちは愛人になったような気がした、それだけはお断りしたかった。僕が性欲の差について考えているとカーレント殿下がこう言ってきた。 「なぁ、ノエル。素股でやらせてくれないか?」 「駄目です、お互いの性器以外は触らないと言いましたよね」 「絶対に気持ち良いのに、なぁちょっとだけ」 「駄目です」  僕は性器以外には触らせなかった、一つ許してしまうとずるずると最後までいって愛人にされてしまうと思っていた。こすりっこだって本当はしたくなかった、僕は普通の男性だったので女性が好きだった。こんなごっつい男と性器をこすり合うなんてことはしたくなかった。 「はぁ、結婚したいなぁ」 「ノエルお前好きな女ができたのか、できたのか!?」 「ちょっと苦しいです、僕に好きな女性などまだいません」 「まだということは、これからできるということか!?」 「頭を冷やしてください、僕は結婚しませんし、好きな女性もおりません」 「お前に好きな女ができたら、絶対に殺してやるからな」  僕はカーレント殿下の僕への執着にゾッとした、このまま僕は王城の中しか知らないで生きていくのかと思うと絶望した。僕だって自由に外に出かけたかった、実家にも帰して貰いたかった。 「ノエル、痛い痛いしたの?」 「痛いのノエル、大丈夫?」 「大丈夫です、僕は大丈夫ですよ」 「大丈夫なの、良かったぁ」 「うん、良かったぁ」 「お二人とも良い子ですね」  僕はティアラ様とカルム様の笑顔に救われていた、子どもの笑顔は人を元気にさせる力があるのだ。僕たち三人は鍛練をして、体を鍛えた。カーレント殿下も僕と子どもたちについては何も言わなかった。やがてティアラ様が四歳に、カルム様が三歳に、ライ様が一歳になられた。ティアラ様もカルム様も木剣を振って鍛練されていた、ライ様にはまだ早かった、ただ二人の鍛練の様子をじぃっと見つめていた。 「もう少し経ったらティアラ様は淑女教育が始まりますね」 「それって鍛練みたいに面白い?」 「どうでしょう、男の僕には分りません」 「淑女教育なんてどうでもいいわ、私はこのまま騎士になるの」  そう言って笑うティアラ様は可愛かったが、多分その夢は叶わないだろうと思った。カルム様ももう少ししたら政治なんかの教育が始まることになっていた。 「僕はおおきくなったら冒険者になりたいなぁ」 「おや、王様にはならないのですか?」 「王様って大変そうなんだもん、愛人の一人も作れてないし」 「はははっ、それは僕が強情なもので」  カルム様の希望も叶わないはずだ、王子が冒険者などもってのほかだった。カルム様は優しいから王になったら良い王になるはずだと思った。

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