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03-3.監禁の噂※
反乱を企てたとして絞首台に送られるようなものだ。それだけは避けたかった。
「会わせなければいいだろう」
アーサーは互いに距離をとれば解決する問題と考えているようだ。
「社交界も禁止だ。屋敷の外に出ることも許さない」
「アーサー。俺を監禁するつもりですか」
「そうだ。そうすれば、解決する話だろう」
アーサーは本気のようだ。
ゆっくりと抱きしめるのを止めた途端、カイルはアーサーの顔を平手打ちした。
「バカですか?」
カイルはアーサーを責める。
「噂を真実にしてどうするつもりですか!」
カイルは怒った。
……信用されていないのか。
運命の番に出会えば心が揺れ動くと思われているのが、腹が立った。
「俺を信用してくださいよ、アーサー」
カイルの言葉にアーサーは目を見開いた。
「信用している」
「どこがですか。信用している相手を監禁しようなんてするバカはアーサーだけです」
カイルは涙を流した。
信用されていないようで悔しかったのだ。
「運命の番は信用できない」
アーサーは悲しそうに呟いた。
「庶子とはいえ、王族だ。殺してしまうわけにはいかない」
「当然でしょう。犯罪行為はさせません」
「だからこそ、不安なんだ。わかってくれ」
アーサーはカイルを抱きしめた。
カイルはそれを受け入れる。
……わかってる。
運命の番は伝説上のものではなかった。
……アーサーが運命の番だったら、よかったのに。
そうすれば、悩むこともなかったはずだ。
「……わかりました」
カイルはアーサーの想いを聞き入れることにした。
……自称運命の番か。
カイルにはわからなかった。
……厄介だな。
アドルフがなにを企んでいるのか、わからない。しかし、運命の番は互いに惹かれ合うものだとカイルは認識をしていた。アーサーも同じ認識だろう。
だからこそ、恐ろしいのだ。
顔を見合わせた途端になにかが変わってしまうかもしれない。
……偽物ならばいいが。
偽物の可能性も高い。
しかし、運命の番ではないと言い切れなかった。
「今日は激しく抱いてください。俺が運命の番なんてものに揺るがないように、念入りに、アーサーの匂いをつけてください」
カイルはおねだりをした。
……アーサーの匂いは心地いい。
良い匂いがする。
それを身にまとっていれば、誰もがアーサーの番だとわかるだろう。
「いいのか」
アーサーは遠慮がちに聞いた。
やはり、運命の番について思うことがあるのだろう。。
「もちろんです」
カイルは即答した。
その返事を聞き、アーサーはカイルに深い口付けをした。
舌が絡み合い、互いの口の中を犯していく。水音が響くほどに激しく動かされ、カイルは息をするので必死だった。
ゆっくりと唇が離れていく。
抱きしめられていた両腕も離れ、カイルはベッドに押し倒された。
「カイル」
アーサーはカイルの服に手をかける。
「愛している」
アーサーは泣きそうだった。
……どうして、苦しそうな顔をする?
カイルは服を脱がされながら、アーサーの表情が気がかりだった。
……なにかを間違えたのか?
選択の失敗をしてしまったのだろうか。
「俺も愛しています」
カイルは素直に愛を囁いた。
本音だった。
本当に愛していた。
それなのに、なぜ、胸の奥が痛むのだろうか。
「俺の運命はアーサーです。他の番はいりません」
「そうだといいな」
「当然でしょう? いまさら、大公夫人の座を譲るつもりはありませんよ」
カイルは笑ってみせた。
「だから、番契約の破棄なんて考えないでくださいね」
カイルは釘を刺す。
その言葉にアーサーの目が逸らされた。
……やっぱり、考えていたか。
バース性についての知識がアーサーは浅い。
オメガが一生に一度しか番を作れないことを知らないのだろう。
「番契約を破棄されたオメガがどうなるのか、知ってますか?」
「運命の番と幸せになるんだろう」
「違います。狂って死んでしまうのです」
カイルの言葉にアーサーの動きが止まった。
洋服のボタンはすべて外され、上半身は裸にされている。その状態で次に薦めなくなったのだ。
……知らなかったのだろう。
オメガの生態について知らないままでいるのは危険だ。
「言いましたよね。オメガは一生に一度しか番を作りません。番契約の破棄をされてしまえば、一生、苦しみ続けるか、死を選ぶか、どちらかになります」
カイルはオメガだ。
性転換の妙薬を使ったオメガとはいえ、本能はオメガに切り替わっている。
番を新たに作ることはできないだろう。
「俺にそんな思いをさせないでくださいね、アーサー」
カイルは念入りに釘を刺した。
「させない」
アーサーは両手でカイルの胸を触る。
考え直したようだ。
もう思い詰めたかのように泣きそうな顔はしていない。
「カイルは私の番だ」
アーサーは乳首を爪で弾く、
「ひゃんっ」
カイルはそれに対し、喘ぎ声をあげた。
爪で弾かれる刺激に弱かった。アーサーは乳首をカリカリと引っかくように刺激をすれば、カイルは身を捩って逃げようとした。
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