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03-4.監禁の噂※

「それ、ダメです」 「なぜ?」 「気持ち良すぎて頭がどうかなりそうです」  カイルは素直に答えた。  快楽に弱くなっている。  ……オメガの習性か。  腹の奥が疼くのを感じた。僅かな刺激だけだというのに乳首は存在を主張し、アーサーは容赦なく乳首を弄り続けた。そのたびにカイルは甘い声をあげる。 「ひっ! 舐めないでくださいよ!」  カイルは無意識に腰を動かしてしまう。  アーサーはカイルの乳首を舌で舐めた。指や爪で甚振った分、丁寧に舐めていく。その刺激はカイルにとって強い快感になった。  いつの間にか勃起していた。  すぐに達してしまいそうになるのを堪える。 「ひゃんっ」  カイルは堪えられなかった。  呆気なく、射精をしてしまった。  体を震わせて射精の快感を味わう。快楽の中にいるというのにもかかわらず、アーサーは両方の乳首を交互に舐めていく。舐めていない方は丁寧に指で上下に動かす。 「やめっ!」  カイルは言葉にできなかった。 「ひっ、んっ」  カイルの口から喘ぎ声が漏れる。  ……こんなつもりじゃなかったのに!  射精をしたばかりの股間が再び主張を始める。まだまだ足りないと訴えているようだった。  再び射精をしそうなところ乳首を弄るのを止めた。  ……あと少しでイけたのに。  股間は膨れ上がっている。  アーサーはカイルがなにを考えているのかも知らず、ズボンと下着を引きずり降ろす。主張をしている陰茎は今にも射精をしそうだった。 「苦しそうだな」 「苦しいですよ。早くイかせてくださいよ」 「焦るな。また気絶をすることになるぞ」  アーサーは優しく声をかける。  ……気絶したくはないけど。  このまま、射精できないのは辛い。 「ひゃんっ」  アーサーの手がカイルの尻に触れた。  敏感になっているからだろうか。尻を撫ぜられただけで達してしまいそうになるが、刺激が足りず、射精はできなかった。  アーサーの手は尻の穴に向けられ、ゆっくりと指を挿入していく。 「濡れてる」  アーサーの言葉にカイルは赤面した。  それから、カイルの反論を待つ間もなく、アーサーはカイルの前立腺を中から擦るように刺激をする。 「んっ」  カイルは突然の刺激に身を捩らせた。  射精してしまった。  少しだけ前立腺に触れただけだというのに、尻の穴はひくひくと動き、早く指ではないものを迎え入れたくてしかたがなかった。体は正直だ。 「これだけ濡れてれば大丈夫か」  アーサーの言葉にカイルは無言で頷いた。  早くアーサーの陰茎を中に入れてほしくてしかたがなかった。 「いれるぞ」  アーサーはズボンと下着を脱ぎ、勃起した自身の陰茎をカイルの尻の穴にゆっくりと挿入していく。 「ひゃんっ」  カイルは喘ぎ声をあげる。  ゆっくりと前後に動かされる。  その刺激のたびにカイルはい達してしまいそうになるのを堪えながら、喘ぎ声をあげた。  アーサーの動きは少しずつ早くなっていく。  それに合わせるように、カイルは喘ぎ声をあげる。 「中にだすぞ」  アーサーはそういうと射精をした。  腹の奥の方では待ちわびていた快感だった。カイルもこれには我慢が出来ず、射精してしまう。  中に出したというのにもかかわらず、アーサーの勢いは止まらなかった。 * * *  結局、セックスはカイルが気絶をするまで及んだ。 「……お腹膨れてます」  カイルは苦情を口にする。  下腹あたりがいつもより膨れていて圧迫感がある。アーサーが射精した精子が腹に溜まっている証拠だ。 「妊娠できるといいな」 「無理をいわないでください」 「無理ではない。期待だ」  アーサーの言葉にカイルはため息を零した。  それから、慣れたように服を着ていく。 「期待するだけ無駄ですよ」  カイルは妊娠をすることを諦めていた。  条件が厳しすぎるのだ。 「わかっている」  アーサーはカイルの髪を撫ぜる。 「ただ言ってみただけだ」  アーサーは子どもがどうしてもほしいわけではない。  大公家を継がせる為になら、養子をとってもいいと思っていた。ほしいのは、カイルとの間にできる子どもだけだ。 「カイル」  アーサーは優しい目をしていた。 「私の番。どうか、私を捨てないでくれ」 「捨てません」 「即答か。ありがたいな」  アーサーは笑った。  それから、ゆっくりと立ち上がる。 「監禁に必要な手続きをしてくる」  アーサーは不吉な言葉を口にして立ち去って行った。  ……手続きなんてあるのか?  屋敷から出ないように言い付ければいいだけの話だ。  それを執事長たちに言いに行ったのだろうか。  ……わからない。  アーサーが不安になりすぎている気がしてしかたがない。  しかし、心のどこかでは運命の番について考えてしまっている自分がいる。  ……会うのは危険だろう。  アーサーを不安にさせるつもりはない。  しかし、一度は目にしてみたいと思ってしまう。

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