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第4話

俺は息子二人置いて仕事帰り飲み歩いていた。別れた彼女は、有名な編集社に転職していった。そこの知り合いに聞いた。かなりのやり手になっているって…… 俺なんて元々、用無しだったんだろ…… 彼女の約束を破り、息子を愛さず放ったらかし俺は……とある店の女に入れ上げていた。名前は「さとこ」嫁と同じ名前だった。店の近くで酔い潰れている俺を介抱してくれたらしい。 ここは新宿二丁目、彼女はどこからどう見てみも女なのに男なんだ。彼女は本当にさとこに似ていて、話をすると落ち着く。 「邦正さんもうそろそろ帰らないと息子さん達心配しますよ」 「いいの! ど〜〜せ俺は父親失格なんだから……」 「ダメです! ちゃんと帰ってあげないと」 店のドアが勢いよく開き、カウンターで突っ伏している俺の横で足を止めた。 「……邦正なにをやってんだ帰るぞ!」 チッ! またか……今更なんだってんだ! 「うるさいな〜〜い…つきなんだよ〜〜何すんだよ! 離せよ!」 「さとこさん、いつもこいつが迷惑掛けすみません。連れて帰ります。これ釣りはいりませんので失礼します」

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