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第3話

「優一、今日暇?」 学校のホームルームが終わった後、優一に連絡した。 最近の日課となりつつある、ホームルーム後の電話。 「暇と言えば暇?」 「なにその答え。」 「課題とか、やることがないわけじゃないけど、特に用事はないかな。」 「じゃあさ、今日優一の家に行っていい?」 「いいけど、、、場所わかるのか?」 「えー、わかるわけないじゃん。」 「そうだよな。じゃあ、待ち合わせしようか。」 優一の家の最寄り駅で待ち合わせして、その後自宅訪問することになった。 軽い感じを装いながら電話したが、内心バクバクしていた。 もし拒否されたら、立ち直れないかもしれないと思えるほどには優一を気に入っていたから、受け入れてもらえたことにひどく安心した。 優一にとっては、大した意味はないのかもしれないけど。 … 「おじゃましまーす。あれ、思ったよりきれい。」 軽口をたたきながら優一のアパートに着くと、優一は呆れながら部屋の中へと促された。 アパートはいかにも学生アパートのワンルームだった。 玄関とワンルームの間にお情け程度のキッチン。 こじんまりとした部屋だけど、整然と片付けられていて優一らしい。 部屋に入ると一つだけ座椅子があって、そこに陣取ることにした。 コーヒーを作ってきた優一は「どーぞ。」とマグカップを渡してきた。 座椅子でダラダラとしている俺を見ながら慈しむように微笑んでいる優一に、俺は照れ隠しするようにからかうと、優一は「ばーか」と笑った。 コーヒーだけじゃ足りないと調子に乗って夕食も所望した。 結果出てきたのは、インスタントラーメン、しかも麺だけのラーメンという、初めて食べる夕食だったけど、この雑さも心地良い。 軽口を言いながら、俺の顔元に体を近づけた優一に、思わず彼の首を引き寄せて 「優一、俺、、、」 優一のことが本当に好きになったみたい。 そう言おうとしたとき、インターホンがなった。 その音に我に返って、パッと手を離し、何でもないよーと笑った。 何か言いたげな優一を、誤魔化すように玄関口に促した。

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