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02虚言
「なぁ、智也。仲直りしようぜ」
「…………亮」
「昨日言ったことはなしだ、忘れろ。だから仲直りしようぜ」
「う、うん。分かった」
僕は学校の玄関で亮からそう言われた。それから亮はいつものように教室で自己学習を始めた。僕も同じように自己学習をした。他にも何人かの生徒が自己学習をしに来ていた。大学に受かろうと皆必死だった。お昼休みに亮と一緒に学食にいった、安いわりに美味しい料理をだしてくれるので有難かった。
「智也、お前俺に奢らせる物決まったか?」
「あっ、忘れてた」
「なんでもいいぜ、高いもんでも奢ってやる」
「それじゃ今日の夕飯をステーキにして欲しいな」
「あの近所のステーキハウスか」
「そうあそこ高いんだもん」
僕は電話で母さんに今日の夕食はいらないって言っておいた。亮が今日は泊まりに来いというので、僕はそのことも母さんに伝えておいた。僕と亮はただの友達に戻った、亮が好きだと言ってくれた時は嬉しかったけど僕は忘れるようにした。そうして午後も自己学習をして、夕食を食べにステーキハウスに行った。
「このステーキ美味しい」
「まぁまぁだな」
「美味しいからお代わりしちゃお」
「智也は意外と食べるよな」
そう言いつつ亮もステーキをお代わりしていた、僕たちは食べても食べてもお腹が空く年齢なんだ。僕はもっと背が伸びるといいなぁと思っていた。亮が百八十センチあるのに、僕は百六十センチくらいしかなかった。だから女の子なんかに間違われるのだ、僕は成長することを願ってご飯をお代わりした。
「食べたねー、お腹いっぱい」
「智也、満足したか?」
「大満足、もう入らないよ」
「それじゃ俺んの家に行こうぜ」
こうして僕は大邸宅にやってきた、来るのは初めてじゃなかった。だから迷わず亮の部屋に行って、僕は置いてあるパソコンで漫画を読みだした。亮が部屋に鍵をかけていた、こういう時にすることは決まっていた。亮がもっているAVを見るのだ、以前は何も考えずに一緒に見て、トイレを借りたりしていた。でも僕はAVを見ても興奮できなくて、トイレを借りても何もせずに出てきた。
「亮、今日はAVを見る気分じゃないよ」
「そう言うなよ、これなんて女優が可愛くておすすめだぜ」
「そう言うなら見るけど、後でトイレを貸してね」
「おっ、やる気になったか。智也」
そうして僕たちは亮のすすめるAVを見た、見たのだが女優さんは確かに可愛かった。可愛かったけど僕によく似ていた。それを見て僕はゾッとした。そうして僕は亮に捕まった、腕の中に閉じ込められて頬にキスをされた。そうしてそのままベッドに押し倒された。
「亮、ふざけてるなら止めてよ!!」
「俺はふざけてない、智也。お前が欲しい」
「昨日の話はなしって言ったじゃないか!?」
「おお、だから今から話しをしようぜ」
亮が僕の服を脱がせようとした、僕は抵抗したが亮のほうが力が強かった。だから僕は全裸にされた、僕の上に乗ったまま亮も服を脱ぎ始めた。
「やっぱり最初は腸内洗浄だな。自分でやるのと、俺にして貰うのどっちがいい?」
「自分でやるよ!!」
「よっしやり方を教えてやる。まずは……」
「――――ッ!!」
僕は亮の言う通りに腸内洗浄をした、凄く屈辱的だった。亮はその間ずっと僕が逃げないか見張っていた。僕はこのままでは亮に抱かれてしまうと思った、だから腸内の洗浄が終わっても鍵をかけてトイレから出なかった。
「智也、出てこいよ。お楽しみはこれからだ」
「僕に何もしないって言って」
「そりゃ無理だ、いろいろ試してみたいからな」
「それじゃ、僕はここを出て行かない」
鍵をかけたトイレだったけど、鍵がくるりとまわってドアが開いてしまった。そうしたらズボンだけ着た亮が待ち構えていた。
「ここのトイレの鍵、外からでも開けられるんだ」
「ちょっと、亮。放してよ!!」
「嫌だね、これから智也と初めてのセックスだ」
「僕はそんなことしたくないよ!!」
「いい加減に覚悟を決めろよ、智也」
「亮、嫌だよ!!」
そう言ったのに亮は僕を引きずっていってベッドに押し倒した、そうして僕の上に乗ってきてキスをした。何度も何度も僕の口にキスをした、はぁと僕が息をした瞬間にディープキスをされた。僕は上手く息ができなかった、でも亮は止めてくれなかった。
「智也のここ、さくらんぼみたいだな」
「止めてよ!! 胸なんか舐めないで!!」
亮は僕の胸を舐め始めた、すぐに乳首が赤くなって立った。そうした後は亮はいつの間につけたのかコンドームを付けた指で僕の後孔をまさぐっていた。そうして指がある一点に当たった時、僕は思わず体が跳ねた。亮に触れられたところが気持ち良くて、僕の体ははねて勃起した。亮はニヤリと笑ってそこばっかり責めてきた。
「ああっ!! やだっ!! そこばっかり、うっ!!」
「射精したか、ほらっ見ろ。智也、俺のこと好きだろ?」
「亮は友達で、ひゃん!! ああっ!! またそこばっかり!!」
「嘘つけ、俺が好きじゃなかったら、勃起なんかしねぇよ」
亮は僕の後孔を慣らし始めた、二本の指で開いてだんだん大きく開くようにしていった。僕は本気で亮に抱かれると思うと怖くなった。恐怖で勃起もしなくなった、でも亮には関係ないようで僕の後孔をほぐし続けた。
「よっし、入れるぜ」
「ヤダッ!! 止めて!!」
その時部屋の電話が鳴った、亮はチッと舌打ちしていた。そしてどこから取り出したのか、僕を縄で縛って電話に出た。
「誰だ? って朱音ちゃんか。こっちに来たい、ダメダメ今俺たちは忙しいの」
朱音は僕の妹だ、僕は亮が電話に出ている隙に縄を解いた。そして服を着て出て行こうとした、そうしたら亮が電話を投げ捨てて僕を捕まえた。そして、また電話に出て朱音と話をしていた。
「ああ、ごめん。ちょっと用事があって、だから朱音ちゃん、こっちには来ないでね」
亮がまた僕の服を脱がし始めた、抵抗したが無駄だった。そうしてこのまま亮に抱かれると思った時、ピンポンと部屋のドアが音を立てた。亮はチッとまた舌打ちして僕に服を着せて自分も服を着た。そうしたら部屋の入口の前に朱音が立っているようだった。電話から朱音の声が聞こえた。
「もう亮ちゃん、私のこと無視するなんて酷い!!」
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