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昴に、からかわれているのだ、と暁斗は感じていた。
(それとも、試されているのか?)
私にそこまでの意気地は無いと、この小さな主は考えているのか。
既成事実を作って、旦那様にお仕置きをさせようとする魂胆か。
いろいろと考えを巡らせていたが、次の瞬間、頭が痺れてしまった。
挑むように暁斗を見ていた昴の瞼が、軽く閉じられたのだ。
(ここまで、挑発してくるとは!)
魅せられていたのは、昴ばかりではない。
暁斗もまた、初めて彼に会った時、その美しさに震えた。
当時は上流階級の人間に、劣等感や反骨精神をいだいていた、暁斗だ。
それらを簡単に乗り越えて、心に滑り込んできた、美しい少年。
それが、昴だった。
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