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第二章 月夜の秘め事

 バラの花びらから煮出したエキスを、500㏄。  それをバスタブの湯に混ぜると、ふんわりと芳香を放ち始め、昴はにこりと微笑んだ。  その、少しぬるめの湯に、朝摘みの花びらをたっぷりと浮かべる。  一日の疲れを癒す、特製ローズバスの出来上がりだ。  さらさらと服を脱ぎ、昴はシャワーを浴びて、バスタブへ滑り込んだ。  ほぅ、と深い息をひとつ。  芳しいバラの香りが、体の、心の疲れを溶かしてくれる。  ぱしゃん、と音を立てながら、手のひらにすくった湯を、昴は肩や二の腕にかけた。  そして、そのまま手を肌に滑らせる。  シミひとつ無い美しい腕に、我ながら惚れ惚れする。 「あぁ、僕ってホントに美しい!」  湯の中で体を撫でさすり、マッサージをしながら、昴はふと思い出した。  暁斗に、この肌を許したことを。  

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