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「……暁斗も、触りたくなるのかな」
この僕の肌を晒しておけば、ついふらふらと腕を伸ばしてくるだろうか。
そして。
「そうされたら、やっぱり気持ちいいのかな」
いやらしい司書に触れられた後は、気味の悪さしか残らなかった。
しかし暁斗に触れられれば、またあの蕩けるような快感を覚えるのだろうか。
とくん、と昴の胸が鳴った。
暁斗。
あれから彼は、ごく普通の態度だ。
いつもの真面目な、勤勉で忠実な暁斗だ。
体を重ねた翌日、共に馬で駆けてからその後、ただの執事として僕に仕えている。
あぁ、でもあの話し方、あの身のこなし。
「あの笑顔を思い出すと、ドキドキしてくるんだ……」
ひとりでに甘いため息が口をつき、じっとしていられなくなる。
体が火照り、のぼせあがってしまいそうだ。
昴は湯からあがると、丁寧にゆっくりと体を拭いた。
その、はやる気持ちを抑えるように。
今にも駆け出したい思いを、鎮めるように。
そして、ゆったりとしたポンチョを体に纏わせ、執事の間へと降りて行った。
暁斗の部屋へと、向かって行った。
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