どこまでも冷静で。 　まるっきり僕を、手玉に取っている暁斗。 　そんな彼に腹を立て、昴はそのまま立ち去ろうとしかけた。 　だがしかし。 （よく思い出せない。でも、これじゃいけない。このままじゃ、ダメなんだ） 　過去に6度も繰り返して来た、失敗。 　胸に抱いたまま、命と共にはかなく散った恋。 　ただ、7回目の昴は違った。 『じゃあ、私からの贈りものをあげるよ。何がいい？』 『……素直な心と、勇気を』 　タイムリープの前に、冥界の水先案内人・ロキと交わした言葉だ。 　今の昴には、素直さと勇気が備わっている。 　少しずつだが、その力は現れ始めていた。