50 / 226
13
熱く激しい口づけを終え、暁斗はようやく顔を離して昴の目を見た。
蕩けて色気の増したまなざしが、こちらをうかがってくる。
(もうおしまいですか、昴さま。それとも……)
それとも、また私と遊びますか?
あの夜のように。
甘い遊びを楽しみますか?
しかし昴の言葉は、暁斗の想像とは、かけ離れていた。
「やっぱり」
「えっ?」
「やっぱり、暁斗に触れられても、ちっともイヤじゃない。キスされても、気持ち悪くもないんだ」
暁斗は苦笑いした。
キスをしながら、そんな事を考えていたのか。
まだまだ、愛情を持って応えてくれるには、程遠いらしい。
「なぜだろう、暁斗。なぜだろう?」
真剣なその目つきから解かることは、言葉遊びを誘っているわけではない。
心底、自分の気持ちが掴めずにいるのだ、この主人は。
「私のことが、お嫌いですか?」
「嫌いじゃない」
「だから、でしょう」
ともだちにシェアしよう!

