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 雲が晴れた。  南中近くに差し掛かった明るい月が、煌々と二人を照らす。  月光の元、昴と暁斗は互いに身を任せていた。  うっとりと、二人もたれ合っていた。  そのぬくもりを、味わっていた。  だが、その甘い静寂は突然に破られた。 「暁斗! 暁斗は、いつから僕が好きなんだ!?」 「はい?」 「どっちが先に、好きになったんだろう!? お前だな、暁斗。暁斗が先に、僕を好きになったんだな? そうだろう!?」  いやそれは、と暁斗は口ごもった。 「先に誘ってきたのは、昴さまでしょう」 「違う! 暁斗が僕を好きだから、確かめに来ただけだ!」  やれやれ、と暁斗は肩をすくめた。 「はいはい、どうぞお好きなように」 「その雑な返事はなんだ。潔く認め……」  昴の言葉が終らないうちに、暁斗は彼を抱き寄せた。  そしてキスをし、昴の唇をふさいで黙らせた。 「暁、むむ……」 「お静かに」  一つに重なる二人の影を、月が明るく照らしていた。  月だけが、二人を見ていた。

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