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「実は、今夜は遊郭へ行くつもりでした」
そう言った途端、暁斗はブドウの皮を顔面いっぱいに浴びていた。
お次は、激怒した昴の悲鳴だ。
「僕と同衾した翌日に、妓館へ!? 最低だ、暁斗! 馬鹿! バカばか馬鹿ぁッ!」
手元にあったぶどうの皮を、昴が力任せにじゃんじゃん投げつけてくる。
「まッ、待ってください! 昴さま、話は最後まで聞いてください!」
「言い訳なんか、聞きたくない!」
口で言うより手の方が早い、と暁斗は席から離れ、昴をしっかりと抱きしめた。
それでも、昴は大人しくならない。
「離せ! 自室へ戻る!」
「いいから、聞いてください」
そっと耳朶を舐め、軽く噛んでくる暁斗。
熱い息がかかり、昴はもがくのをやめ、ぞくぞくと震えた。
「昴さまと同衾しても、私は一度も淫を吐いたことはありません。それは解かりますね?」
「うん……」
「ですが、やはり私も男です。出さねば体にも精神にも、悪うございます」
「そう……だね」
昴がようやく聞く耳を持ち始めたので、暁斗は続けた。
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