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「昴さま。お体の具合が、よろしくないのでは?」 (また、言われた……)  屋敷の使用人にそう問われ、昴は薄く唇をあげて笑顔を作った。 「何でもないよ。気にしないで」  そうは言いながらも、そろりそろりとゆっくり歩いて行く、昴だ。  その姿に、やはり体の調子が悪いのではないか、と思われる。 「どうか、自室でお休みになられてください」 「ありがとう。でも、本当に大丈夫だから」  使用人たちに心配されるたびに、昴はそう答えていた。  病気でも怪我でもない。 (アナルプラグをお尻に入れているから、なんて。口が裂けても言えないよ!)  歩くたびに微妙に動くプラグは、昴を常に責めさいなんでいた。  椅子に掛けると、最悪だ。  ぐっ、と深く入り込み、体内の奥まで刺激してくる。  もう少し。 (もう少しで、あそこに当たっちゃうよ……!)  暁斗が昨夜、指で苛めてきた部分。  あそこに当たれば、おしまいだ。  たとえ人が周りにいても、はしたない声を上げてしまうに違いない。  しかしプラグは巧くできているもので、そこまでは当たりそうで当たらない。  逆に、そこに擦りつけたくなる気持ちをこらえながら、昴は散々な一日を過ごした。

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