84 / 226

26

「もう、結構です。これ以上は、いけません」  暁斗は、口で施す昴の頬に手をやり、そっと離した。 「気持ち、悦かった?」 「はい。出してしまいそうでした」  暁斗は会話もそこそこに、昴に覆いかぶさって体中を愛撫した。  唇で吸い、舌で舐め上げ、手のひらで撫でさすった。  もうすぐ。  もうすぐだ。 (あと一息で、この美しい体を。昴さまを全て、自分のものにできるのだ……)  このまま、最後まで果たしてしまいたい。  そんな熱い想いをぐっと抑えて、暁斗は昴を愛した。  体を愛し、心まで溶かし。  昴と暁斗は、かつてないほど寄り添い合った。  そんな日々を繰り返し、愛情を深めていった。  そして、ついに運命の日がやって来たのだ。 「明日、よろしゅうございますか」  アナルプラグは、一番大きいものが入るようになった。  昴も、ずいぶん楽に、口で暁斗を愛せるようになった。  機は熟した、と暁斗が判断したのだ。  その言葉の持つ意味は、昴にも充分伝わった。  あぁ、ついに。 (ついに今夜、暁斗と結ばれる……!)  昴の胸は、大きく高鳴った。

ともだちにシェアしよう!