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 暁斗の指が、昴の蕾にそっと入れられてくる。  ひくん、と震え、一瞬その口は閉まった。  たが、なだめるように内股を撫でさする暁斗の優しい手のひらに、昴は彼を受け入れた。  指一本は、難なく入り込んでいった。  じっくり慣らしながら、二本に増やす。  抜き差しさせても、昴が嫌がる様子は見られない。  さらに指を三本に増やし、体内を探る暁斗の動きに、昴は息を荒げていた。 「あッ、あ、暁斗……」  身悶えながらも、昴の意識の片隅は、妙に冴えていた。 (暁斗の指は今、僕の中に何本入っているんだろう)  それが解らないほど、昴の体は慣らされていた。  異物感も感じない。  あれほど心地の悪かった愛撫が、今はただ快楽のみを運んでくるのだ。  早く。  早く、あそこへ。 (一番感じる、あの部分へ!)  昴がそう願っても、暁斗は逸らしてしまう。  腰を浮かせ、自分でそこに擦りつけようとしても、ふいと逃げて行ってしまう暁斗の指だ。 「わざと、やってるね? 暁斗」 「はて、何のことやら?」  こんな甘い駆け引きすら、二人の間には生まれていた。

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