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「……そして、それができるようになったら、今度は抜かずの二発、三発とやってみましょう。体位も変えるといいですね。また違った刺激があります。四十八手あるので、いろいろ試しましょう。それから……」  まるで性欲の悪魔に取り憑かれたように、マシンガントークを延々と続ける、暁斗。  そんな彼の態度に、昴の何かが音を立ててキレた。 「ちょっと待ってよ! 今の僕の気持ち、ちゃんと解かってるのかな!? とにかく疲れてだるくてたまらないんだ。それなのに、朝っぱらからそんな……エッチな話……ッ!」 (まさか暁斗が、こんなにスケベだったなんて!)  人は見かけによらないもの、と子どもの頃に教えてもらった。  今まさに、その言葉の意味を、昴は身をもって知った。 (暁斗は、むっつりスケベだったんだ!)  ついにブチ切れた昴に、暁斗は慌てて反省した。

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