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(今日は、赤いバラか……)  朝食の席で、昴が身につけたバラの色を、暁斗は、そっと確かめた。 『今夜は、相手をしてやってもいいよ?』  そんな小癪な響きの声まで、聞こえてくるようだ。  二人が体を結ぶようになってから、しばらく時が過ぎていた。  まだ24歳の若い暁斗は、毎日でもその美しい体を抱きたいと感じている。  しかし、肝心のお相手が、昴が許してくれないのだ。 『毎日だなんて、身が持たないよ!』  意地悪なことを言って、焦らしてくる。  さらに、胸に飾ったバラの色で、その日の気分を伝えてくるようになった。  白なら、今日は気が乗らない。  黒なら、今夜は許してあげる。  そして赤なら、その気になったら、ね。  今日、昴が赤いバラを身につけているとなると、夜が来るまでに、その気にさせなければならない。 (面倒なことだ。だが、そんな遊びも悪くないな)  暁斗は、食事を摂る昴の姿を見守りながらも、どうやって彼を乗り気にさせるかを考えていた。

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