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「ん……っ、ぅん。ふッ、ん……」  密やかな声が漏れだす。  耳に心地よく聴きながら、暁斗は唇を下に這わせ、脇の柔肌を緩く噛んだ。 「あっ、ん」  首を反らせ、うっとりと目を細めた昴の表情には艶がある。  それを満足げに眺め、二度三度と脇を食み、舐めとった。  甘い喘ぎが速くなる。  体を重ねて間もない頃は、ここを愛撫しても、くすぐったいと笑うだけだった。  時間を掛けて、じっくりと慣らし拓いていく楽しみが、昴の体にはあった。  快楽に耐え兼ねて、その身を翻そうとする昴を許さず、暁斗は両手を重ねて指を絡めた。  しっかりとベッドに縫い付け、胸の淡い二つの飾りを舌先で何度も弾き、焦らしに焦らした。  もう、一週間以上おあずけを食らっていたのだ。 (今度は私が、昴さまを苛めてさしあげましょう) 「んッ、んッ、あき……暁斗……ッ」  物欲しそうな声を上げ、昴は背を反らせて胸を暁斗に押し付けた。  もっと。  もっと、そこを苛めて。  ご希望通りに舌腹でゆっくりと大きく舐めあげ、唇に挟んで強く吸うと、声が切なく尾を引くようになった。

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