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「ゃだッ」  粘っこい感触は、退きかけた熱を再び引き戻してくるのか、昴は何度も引き攣っては跳ねた。  暁斗の懐の中で、余韻というには激しい刺激に悶えた。  はぁはぁと速く短く吐き出される喘ぎは、なかなか治まらない。  昴は時々小さな声を漏らし、そのたび暁斗にすがりついた。  暁斗はもう何も言わず、ただ彼の髪を撫で梳いた。  小さな声を聴くたびに、バラのはなびらに似た柔らかさを持つ髪の香りを、深く吸った。  昴の髪は、やはりバラの香りがした。 「昴さまは、本当に」 「ぅん?」 「バラの化身なのですね」 「うん……」 「私は迂闊な言葉で、あなたを深く傷つけました」 「……」 「反省しております」  暁斗は昴からの返事を待ったが、彼は沈黙していた。

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