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「さて。これから、いかがいたしましょうか?」 「えっ? そ、それは……」  二人とも、すでに衣服をはだけた姿なのだ。  これからやることなど、決まっている。  だが、早く肌を重ねて睦み合いたいとは、とても言えない昴だ。  赤くなった彼の頬に手のひらを当て、暁斗は少し意地悪になってみた。 「昼間にお会いした時、何を考えておいででしたか? 私の事だと、嬉しいのですが」 (暁斗ったら! 解ってるくせに!)  昴は唇を尖らせたが、違う、と意地を張るには、あまりに彼が恋しかった。  10日以上、顔も合わせなかったのだ。  暁斗成分の不足は、ピークに達していた。 「……うん。暁斗のこと、考えてた」 「私の姿を、思っていたのですか」 「うん」 「他には?」 「声、とか」 「他には?」  そこで昴は、もう我慢ができなくなった。  頬に当てられた暁斗の手が、熱を伝えてくる。  昴の限界は、越えてしまった。 (あぁ、早く。早く……!) 「早く!」 「ぅん? 早く、何でしょうか?」 「……暁斗のバカ!」

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