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 そんな意地を張らずに、と暁斗の両手が昴の頬を挟んだ。 「さぁ、おねだりしてごらんなさい」 「早く……来て」  よくできました、と暁斗は昴をベッドに横たえ口づけした。  深く、強く唇を重ねて、きつく吸った。 「っん。ぅんん、う。暁斗……!」  もがく仕草を見せたのは、初めだけ。  昴も暁斗に腕を伸ばして、舌を絡めた。  どんどん乱れてくる呼吸と、唾液の鳴る音が、静かな寝室に響く。  それだけで感じて、昂っている昴だ。  キスをしながら中心に手を伸ばし、自分の存在を確かめた。  そこはすっかり硬くなって、先端から蜜をにじませている。 (ヤだ。キスだけで、こんな……ッ)  もぞもぞと動く昴の手を、暁斗の大きな手のひらが覆った。 「私の方も頼みます」  いざなわれるまま、昴は暁斗のものに触れた。  そこは、いっぱいに張り詰め、熱く脈打っている。 「暁斗……すごい」 「会えずに悶々としていたのは、昴さまだけではございませんよ」  昴も暁斗も、後はひたすら互いを求め合った。

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