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 暁斗の唇は、昴を存分に味わっていた。  首筋から脇の柔肌、胸の桃色へと滑らかに移動する。  その間、昴はぎこちなく彼を手で擦っていた。 「んんッ、あ。あぁ、はぁ、ぅうんッ」 「お上手ですよ」  暁斗の愛撫を受けながらなので、昴の動きはどうしてもお留守になる。  単調になったり、時には止まってしまったり。  お世辞にも、巧みとは言えない奉仕だ。  それでも、暁斗は満足だった。  お上手ですよ、と褒めたくなった。 (優雅にバラの花を持つこの手で、私を慈しんでくれている……!)  滑らかで弾力のある、昴の手のひらの感触に、ぞくりとするのだ。 「あ! ッく。んんあぁあッ!」  ふいに昴の声が高く響き、白い精が勢いよく飛んだ。  体への快感と、手のひらの暁斗の脈動とで、耐えられなくなったのだ。  一足先に、達してしまった。 「はぁ、はぁ、あぁ……」  力を抜いて荒い息を吐く昴だが、その目は虚ろではない。  しっかりと暁斗に視線を注ぎ、薄く微笑んで見せた。 「まだ、これからだよ」 「では、お覚悟を」  返事の代わりに、昴は脚を少し広げてみせた。 (ホントは、もっと広げたいけど)  でも、恥ずかしい。  それくらいの理性は、まだ保っていた。  そして、わずかに開いた脚の意味が解らない暁斗ではなかった。  承知、とばかりに膝に手を掛け、大きく広げた。

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