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 昴を愛撫しながら、古川は嬉しそうな声を上げた。 「もう、こんなに濡らしていらっしゃる」 「嫌だ。やめろ!」  昴のものは硬く張り詰め、その先からは蜜の雫をにじませているのだ。 「もっと、悦くしてあげましょう」 「え? ……あッ!」  古川の手が昴の性器を掴み、擦り上げてくる。  その感覚がまた、暁斗の手に瓜二つなのだ。  手のひらの肉付き、指の節、爪の先まで使って、昴を苛めてくるのだ。 「あぁあ! あ、あぁ!」 (ダメッ! このままじゃ、出ちゃう!)  何とかこらえようと頑張るが、なにせ体の自由がきかないのだ。  昴に、抗う術はなかった。  吐精の疼きがせり上がり、マグマのように熱く昂ってくる。 「いや、イヤぁ! あ、あぁッ、あぁああ!」  は、と自分の悲鳴で目が覚めた。 「夢……!」  昴の頬には、まだ濡れた涙のあとがある。  やけに生々しい夢だった。  そして、その淫夢の置き土産も、しっかり残されていた。 「うぅ、気持ち悪いぃ……」  昴は、夢精してしまったのだ。

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