178 / 226

19

「どうです、昴さま。具合は悦いでしょうか?」  さっきと同じことを問うてくる、暁斗。 (気持ちイイに、決まってるじゃんッ!)  だが、そんなこと恥ずかしくて言えやしない。 「バカ暁斗ッ!」 「素直でないですね」  そこで暁斗は、ギリギリまで大きく引き抜いた。 「もう一度お訊ねしますが、具合は悦いでしょうか?」  はぁはぁと息の荒い昴の上で、暁斗は動きを止めた。  熱い火照りが、昴からじわじわと退いていく。 「あ……」  やめないで、といいたい。 (でも、言えない!) 「どうです、昴さま?」  今度は、じわじわと挿れてくる暁斗だ。  返答次第で今後が決まる、脅迫めいた暁斗の遊びは、昴を追い詰めた。  悔しい。  暁斗なんか、要らない。  今夜は、もうおしまい。  おやすみ、暁斗!   そう言えれば、どんなに楽か。 (だけど……暁斗を失いたくないよ……)  口で言うのは、簡単だ。  いくらでも、暁斗を突っぱねることはできる。  しかしそうすると、きっと深くて重い後悔が待っている。 (僕は、暁斗に傍に居て欲しいんだ!)

ともだちにシェアしよう!