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「どうです、昴さま。具合は悦いでしょうか?」
さっきと同じことを問うてくる、暁斗。
(気持ちイイに、決まってるじゃんッ!)
だが、そんなこと恥ずかしくて言えやしない。
「バカ暁斗ッ!」
「素直でないですね」
そこで暁斗は、ギリギリまで大きく引き抜いた。
「もう一度お訊ねしますが、具合は悦いでしょうか?」
はぁはぁと息の荒い昴の上で、暁斗は動きを止めた。
熱い火照りが、昴からじわじわと退いていく。
「あ……」
やめないで、といいたい。
(でも、言えない!)
「どうです、昴さま?」
今度は、じわじわと挿れてくる暁斗だ。
返答次第で今後が決まる、脅迫めいた暁斗の遊びは、昴を追い詰めた。
悔しい。
暁斗なんか、要らない。
今夜は、もうおしまい。
おやすみ、暁斗!
そう言えれば、どんなに楽か。
(だけど……暁斗を失いたくないよ……)
口で言うのは、簡単だ。
いくらでも、暁斗を突っぱねることはできる。
しかしそうすると、きっと深くて重い後悔が待っている。
(僕は、暁斗に傍に居て欲しいんだ!)
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