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「……ぃ」 「ぅん?」 「暁斗が、欲しい!」  やられた、と暁斗は思った。  斜め上を行く、最高の答えだ。 (私など、いくらでも差し上げましょう!)  そんな心地で、夢中で腰を穿った。  あぁ、昴さま。  いつもあなたは、新鮮な何かを私に見せてくださるのですね! 「あぁ! あぁッ、あぁッ、暁斗!」 「はぁ、はッ、はッ、昴さま、出ますよ」  暁斗は今度こそ、自分自身を解放した。  下半身が引き攣り、性器が昴の内壁に吸い付かれる。  まるで、食いちぎられそうな快感と興奮を、味わった。 「ダメだ……具合が悦すぎる……ッ!」  暁斗は昴を苛めていた言葉遊びの答えに、自分が陥りながら長々と射精した。 「あ、暁斗……」 「まだ、出ます……」  二人抱き合って、精が果てるのを待った。  互いの腰が痙攣し、甘美な気怠さを運んでくる。 「あぁ、気持ち、い……」 「ようやく、おっしゃいましたか」  くすくすと笑い合いながら、キスを交わした。  これは、現実。  本物の暁斗。  昴は、現実の交わりをたっぷり味わい、満足気に眠りについた。  寝入ってしまうほんの前、ふと浮かんできたことがあったが。 『じゃあ、ここで働きながら、学校へ通うの?』 『それは……大切なことですので、後ほど改めて』  大切なことって、何だろう。  暁斗、何を考えてるの……? (ダメだ。眠い……)  答えを出せないまま、昴は眠ってしまった。  暁斗は、そんな昴に優しいキスを、一つ贈った。

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