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朝。
目覚めた昴に、本日のスケジュール確認を告げたのは、暁斗ではなかった。
「柏の代役、しっかり務めさせていただきます」
古川執事が、笑顔で立っているのだ。
おや? と思ったが、昴は昨夜の暁斗の言葉を思い出した。
『明日は早起きをして、片付けものや荷造りがあります』
(暁斗は、他に用事があるんだな)
すぐに、そう悟ったので、古川に笑顔を返した。
「古川なら、安心して任せられるよ」
微笑む昴だが、どこか陰がある。
(やはり、お寂しいのだろう)
支度を手伝いながら、古川はそう考えた。
「ねぇ。暁斗の出発スケジュール、古川は聞いてる?」
「はい。一週間後の、13時15分の便で発つ、と」
その返事に、昴はホッとした。
自分が暁斗から知らされている予定と、同じだからだ。
彼は昴に内緒で、そっと出発してしまうような考えは、持っていないらしい。
「長いフライトだね。15時間くらい、かな」
「時差も生じます。まるで、時を遡っているようでしょうね」
そんなことを話しながら、昴は身支度を整えていたが、古川の言葉に何か引っかかった。
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