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父からの手紙。
その内容は、衝撃的だった。
昴は、まるで頭を殴られたかのような気持ちに、襲われた。
『昴、すまない。
まずは、謝らなくてはならない。
そして、結論から言おう。
柏は予定を早めて、今日の13時15分の便で発つ。
私が、彼にそう願ったのだ。
許して欲しい。
柏も、解ってくれた。
昴は、お別れの言葉を聞けたのだろうか。
彼を、責めないで欲しい』
昴は、昨夜の暁斗の様子を思い返した。
彼は、相変わらず穏やかで。
そして、ちょっぴりユーモラスだった。
『昴さま。愛しています』
まさか、あれが別れの言葉だったなんて……。
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