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エリート童貞の暴走

「……っ、くそっ……!」 「ふえっ……?」 次の瞬間、光貴が下からぐっと腹筋に力を込めて―― しなやかに、勢いよく上体を起こした。 そのまま、あおいの身体を引き寄せるように抱きしめる。 「え、あんっ……!ちょ、だめっ……深い……っ!」 硬度を取り戻したばかりの光貴のペニスが、 ぐっと奥まで押し込まれ、敏感な場所を遠慮なく叩く。 体勢を変えたことでより深く――より鋭く、溶け合っていく。 あおいの耳元で、低く甘い声が落ちる。 「……ごめんね。あおいにだけ頑張らせちゃって」 囁きと共に、そっと腰が打ちつけられた。 「あん、っ……」 「……ずっと、中にいてほしいんでしょ。……いいよ」 光貴の声が、低く甘く、あおいの耳をかすめる。 「いてあげる」 その響きが背筋を這い、脳を焦がすように駆け抜けた瞬間―― 「あ、あ.……ん、っ……!」 あおいの分身から「ぴゅっ、ぴゅ……」と、恥ずかしそうに白い熱が飛び出してきた。 とろりとした白濁が光貴の下腹を汚し、ゆっくりと肌を這っていく。 「すご、触ってないのに……イっちゃったの?」 さっきまで色気を纏っていたはずの光貴が、 不思議そうにあおいの局部をまじまじと見つめている。 「はぁ、あ……見ないで、恥ずかし……!」 そんな純粋な様子にぐわっと羞恥がこみ上げ、あおいははしたなく濡れるペニスを手で隠した。 隠しきれないとわかっていても、そうせずにはいられなかった。 「あおい……ほんと、かわいー」 光貴はそんなあおいが可愛くてたまらないと言った様子で 低く掠れた声が、熱に濡れて落ちる。 光貴は、ゆっくりとあおいの顎先に指を添える。
掬い上げるようにして、その顔を自分の方へ向かせた。 「あ……」 不意を突かれたあおいの唇が、わずかに開く。
そこに、光貴は迷いなく口づけを落とした。 唇が触れ、容赦無く舌が滑り込む。 温かくて、やわらかな熱が舌先を絡めとって、
たちまち息が、甘い溜め息に変わる。 「ん、っ……ふ……ぅ……っあ!ちょ、っと!」 「ごめん、もう……我慢できない、っ」 その一言を合図に、光貴の手があおいの腰を掴んだ。 思わず、あおいの身体が震える。 次の瞬間。 光貴がぐっと腰を引き、容赦ないリズムで深く打ち込んできた。 「……っあ、あっ、あああっ……んんっ!」 言葉にならない声が、あおいの喉の奥から零れ落ちる。 息も、理性も、熱にさらわれていく。 荒削りな動きのはずなのに―― あおいの身体が、雌になってしまうスイッチを的確に攻め立てた。 さっきあおいが自ら擦りつけていた場所。 優秀な光貴はそれを、確かに覚えていた。 「ひっ……んっ、そこ……ばっか、ダメそれっ……!女の子にっ、なっちゃうからぁ!」 「……っごめ、止まんないっ……」 あおいは、必死に限界を訴えた。
けれど光貴は、初めての快感と衝動にのみこまれ、 もう聞こえていなかった。 ただ――欲に突き動かされるまま。 獣のように、あおいの奥へと―― 何度も、何度も、深く腰を打ちつけた。 「あっ、ああっだめ、ダメ!ぐっ、イク!イグっ……あああっ!」 「くっ、あおい、っ……!」 ほぼ同時に、ふたりは限界を迎えた。 内側からせり上がる快感に、あおいの身体は、大きく跳ね上がる。 「あ、ああ……っ」 だらしなく開いた口元から舌が覗き、焦点の合わない目が宙を彷徨う。 ぐっと仰け反ったかと思えば、そのまま脱力するように――光貴の胸元へ、崩れるように流れ込んだ。 その細い身体は、わずかに震えている。 びくん、びくんと残された快感の名残が、痙攣となってあおいを揺らしていた。 「あ、っ……あっ、ん……!ヤバ、ドライでイクのっ、久しぶりすぎてトンじゃった……っ!光貴さん、えっち初めてなのに、エリートすぎ……」 「……はぁ、あおいさっ……え、ごめん!」 吐息まじりに名前を呼んだ刹那、光貴の顔にサッと焦りが走る。 そのまま勢いよくあおいから身体を離した。 「んぅ?」 まだ余韻の中でふわふわしていたあおいは、唐突な謝罪に目をぱちくりさせる。 「ちょ、なになに……っあ!?」 あおいが戸惑う間もなく、 光貴が焦ったようにあおいの体内から、ぐちゅりと音を立てて自身を引き抜く。 後孔から突然引き抜かれる刺激に、あおいは耐えきれず、小さく叫ぶような声を漏らした。 けれど光貴はそれどころではなかった。 「最悪だ……っ!俺ばっかイッて……あおいさん、全然イってないじゃん!ほんと、ごめん……!」 「……は???」 目の前でうろたえる光貴は、欲望でパンパンになったコンドームを手早く処理し、 なぜか新しいゴムを勢いよく――しかも器用に装着し始めていた。 (え? まさか……) 不意に、背筋を冷たいものが走った。 (僕が射精してないから、イってないって思ってる……!?) 一瞬で頭が覚める。 嫌な予感が胸の奥をかき回し、思考がぐるぐると回りはじめた。 (まって、ちがう、それは――!) あおいの中で警報が鳴る。けれど、身体はもう鉛のように動かない。 その間にも光貴の指先がグッと自分の腰を掴み、後孔に熱いかたまりが押し付けられてやっと、声を振り絞った。 「ちが、光貴さん……!僕ちゃんとイッた……メシュイキ、っああん!待ってぇ!」 「あおいさん、ほんと優しいよね……ごめんね。今度こそちゃんとあおいさんも気持ちよくなろ……っ」 「やらやらっ!たしゅけ……ぁああんっ!」 光貴の腰が大きく律動するたびに、あおいの頭の中は真っ白になっていく。 ……あおいの記憶はそこで途絶えた。

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